マーケティング・シンカ論

1年で「chocoZAP」のバナー広告4000種類! なぜそんなに制作するのかチラシは500種類以上(3/5 ページ)

» 2023年10月12日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

なぜ膨大な種類の広告を作るのか

 サービスや商品をアピールするため、ある程度広告の雰囲気に統一感を持たせたり、特定のキャッチフレーズを使用したりといった手法が考えられる。なぜ、chocoZAPではこうした手法ではなく、たくさんの種類の広告を打ち出しているのだろうか。

 マーケティング統括部長の田牧氏は「chocoZAPは『お客さまと一緒にサービスをつくろう』という姿勢で展開しています。お客さまがchocoZAPにどんなサービスを求めているのか、反応を見るためにたくさんのクリエイティブを打ち出しています」と説明する。

 自分たちが「chocoZAPとはこんなサービスだ」と定義してそれをアピールするのではなく、共創型のサービスをつくっていきたいという考えが根底にあるという。

夏のモテ肌を訴求するバナー広告

 chocoZAPはさまざまなサービスを提供しているが、それぞれの広告には強調したいメッセージが存在する。その広告の反響を分析し「●●のサービスに興味を持つ人が多いから、もっと充実させよう」「■■の広告にはあまり反応がない。このサービスはあまり重要ではないかもしれない」といった分析をしているという。広告を通して、膨大なテストマーケティングを繰り返しているイメージだ。

 紙のチラシの場合、効果測定はQRコードを利用している。それぞれの店舗ごとに違うQRコードを利用しており、読み取った人がどのくらい入会しているのかを分析している。多くの人は自宅近くのジムに通うので、駅前のチラシ配布やポスティングなどは「この近くでchocoZAPがオープンしますよ」とアピールするのに有効な手段だ。

 また、同じようなメッセージを発している広告でも、実は使用している文言を微妙に変えているという。どんなキャッチフレーズが効果的なのか、検証しているのだ。

夏のモテ肌を訴求するバナー広告

 RIZAPは9月28日に「セルフホワイトニング」「セルフネイル」「マッサージチェア」など6種の新たなサービスをchocoZAPに導入すると発表した。新サービスの設計にも、広告の反響で得た知見を反映している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.