新生「東京モーターショー」開幕直前 4年ぶり開催で見えるクルマの未来とは鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(2/3 ページ)

» 2023年10月25日 08時00分 公開
[鈴木ケンイチITmedia]

トヨタを筆頭に変わり始めたモーターショー

 そうした時代の変化にあわせ、東京モーターショーは新たな道を模索しました。その第一歩が19年の前回開催(本来は21年開催となりますが、コロナ禍で開催中止)でした。

 19年の東京モーターショーは、「オープン・フューチャー」を合言葉に、「クルマ・バイクの楽しさ」に加えて、新たに「未来のモビリティ社会」をテーマに加えたのです。その筆頭となったのがトヨタでした。

jmsjms 東京モーターショー2019 FUTURE EXPOの様子(公式Webサイト フォトギャラリーより引用)
jmsjms 東京モーターショー2019 e-Motorsportsの様子(公式Webサイト フォトギャラリーより引用)

 トヨタのブースでは、なんと量産車の展示がゼロ。全て未来のコンセプトカーでした。「モーターショーといえば新型車!」と思っていた人にとっては、驚くばかりの内容です。また、クルマの展示だけでなく、キッザニアとのコラボをはじめ数多くの併設イベントを用意。モビリティのお祭りという色合いが強く出た内容となっていたのです。

 こうした意欲的な内容は、人々から好意的に受け止められました。結果的に19年の開催は、約130万人もの来場者を獲得。17年の約77万人の2倍に迫ろうかという大勢の人がショー会場を訪れたのです。

jmsjms 19年の来場者数は130万人を記録(22年11月18日 日本自動車工業会主催の概要発表会より引用)

 そうした前回の成功を踏まえて実施されたのが、今回の名称変更です。前回は、会場を訪れた人だけが感じられた「新しさ」が、今回は名称を耳にしただけで感じることができるはずです。

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