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優秀なのに「昇進したくない」と言う部下 どうしたらいい?(1/2 ページ)

» 2023年11月07日 07時00分 公開
[田中謙ITmedia]

著者紹介:田中 謙

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株式会社ウィルオブ・コンストラクション 代表取締役社長。2023年4月よりグループ内最年少で株式会社ウィルオブ・コンストラクション代表取締役社長に就任。

現在は「建設業界を支援する人材会社」から「人材領域に強い建設会社」への変革を推進すべく、経営者として奮闘中。


 「昇進したいなんて思っていません。今のままでいいです」

 マネジャーとして1on1の時間を取った際、ある優秀なメンバーがあなたに対してこう話したとしましょう。指示したことはそつなくこなし、協調性もある優等生ですが、少し成長意欲が乏しいメンバーの発言です。

 あなたはそのメンバーの能力の高さを買っており、昇進を目指して挑戦してほしいと期待しています。一方で、本人はチャレンジに後ろ向きです。自己肯定感が低く、失敗を恐れる傾向があるのかもしれない……あなたはこう考えています。

 安心感を持ってチャレンジしてもらうには、どうコミュニケーションを取ればいいでしょうか?

優秀なのに「昇進したくない」と言う部下 どうしたら?

 若手を中心に、昇進に前向きではない人は増えています。これは「失敗を恐れる傾向があり、チャレンジに後ろ向き」という観点では自己肯定感が低いと見られがちです。しかし、中には「現状に満足しているから、チャレンジしたくない」というパターンもあるようです。

 現状に満足していて、それ以上のものを求めようとしない──こうした心理は、時代の変化により、物に対する欲求が減ったことも関係していると考えられます。高度経済成長期には、給与の3倍もするような価格の家電が必要で、それを誰もが欲しがりました。しかし時代は変わり「誰もが欲しいもの」は少なくなったといえます。お金や地位の優先順位が高くない人が一定数いるのが現代です。

 とはいえ上司の立場からすると「もっと貪欲に成長してほしい」という期待感を持ってしまうものです。それでは、こういった価値観を持った部下に対して、どのように接していけばよいのでしょうか。

photo 画像はイメージです(提供:ゲッティイメージズ)

「相手を理解する」ことからはじめる

 まず考えなくてはならないのは、相手の理解が出発点だということです。部下が「現状維持でいい」と思っている状態は、なぜ生まれているのかを知りましょう。

 先述した通りこの原因は「自己肯定感の低さに伴い、チャレンジ意欲が低いから」と解釈されることが多々あります。しかし、実は今の状態に満足しているがゆえに挑戦のモチベーションを失っているケースも往々にしてあります。

 まずはその部下がどのような思いを持っているのか、根底の理解から始める必要があります。

 そのためには、部下の

  • Will(やりたいこと)
  • Can(できること)
  • Must(やるべきこと)

の共通認識を持つことが大事です。

 相手を理解するためには、全ての意欲の根源であるWill(やりたいこと)を相互に認識する必要があります。では、どのようにして相手のWillにたどり着けばよいのでしょうか?

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