マーケティング・シンカ論

「優秀なマーケター=外資にいる」はもう間違い? 現代の優秀マーケターはどこにいるのか(2/2 ページ)

» 2023年11月08日 08時00分 公開
[小林幸平ITmedia]
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社会を取り巻く2つの大きな変化

大きな変化1:HOWがとにかく細分化された

 私がキャリアを歩み始めた2015年でもまだ、「ほぼ多くの投資がテレビCM」でした。しかし、それから時代は流れ、Webマーケティング、SNSマーケティングに投資する企業は増え続けています。

 Instagramを見れば半分くらいはBtoBセミナーの告知が流れてきていて、セミナーやカンファレンスへの投資はもはや当たり前になってきました。これまではHOWの数がそんなに多くなかったので、何より戦略ファーストで良かったと思います。しかし、ここまでHOWが増え、そしてまた拡張することが確定している中において、HOWの重要性が相対的に増しています。

大きな変化2:マーケティングとセールスの垣根が壊れ始めている

 ここ最近ではMarketing&Salesという部門の名前を聞くことが増えました。コンサルが資料作りだけでなく実働の部分まで担うようになったトレンドと似ていて、机の上で戦略を語るだけではなく、それをお客さまに販売するところまでマーケターが一貫して担うことが増えてきたのです。

 上流の戦略だけではなく、下流まで見る事でPDCAが回り、一つのエコシステムを創れることがマーケターの仕事になってきました。

 つまり何がいいたいかというと、「マーケティング=売れる仕組みを創ること」と定義したときに、その「売れる仕組み」を創ることが、昔よりも構造上難易度が上がっているということです。

 外資マーケター=戦略設計に強い人、の価値は変わらず重要ですが、この複雑化したHOWへの深い理解と体系化、セールスの知識や経験なくして、これからのマーケティング戦略は創れない時代になったんじゃないかと最近強く思います。

現代の優秀なマーケターはどこにいるのか

 では、現代の優秀なマーケターはどこにいるのか、もっといえば今の新卒はどの会社に入ればいいのか――。

 私の答えは下記3つの条件を満たす会社です。

(1)経営者がマーケティングという職種を本質的に重要視している

→それだけのプレッシャーと経験を積むことができる

(2)マーケティングのジョブ・ローテーションができること

→さまざまなHOWに対応できる柔軟性

(3)Salesが経験できること

→理想論の戦略ではなく、売れるマーケティング戦略を創ることができる

 冒頭の「優秀なマーケターを中途でどの会社から採用すればいいの?」という問いに関しても、この3つを満たしている会社から採用するのがいいのではないでしょうか。

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