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「自分より優秀な部下」を持ったとき、上司はどうすべきか?Q&A Z世代部下のマネジメント法

» 2023年11月15日 17時30分 公開
[サトウナナミITmedia]

Q&A Z世代部下のマネジメント法

 マネジャーの仕事は、一筋縄ではいきません。「部下に指導しなくてはいけないが、ハラスメントにならないか怖い」「指示通りに動かない部下に、どう対応したら良いのか」など、Z世代をマネジメントする上司の尽きないお悩みに、リクルートマネジメントソリューションズが回答します。


Q: 自分より優秀だと感じる部下につい気後れしてしまいます。指摘やアドバイスをするのが上司としての役割だと思うのですが、何も言えません。どうしたら良いでしょうか?

photo 自分より優秀な部下 何も指摘できずに困ってます(画像はイメージ、提供:写真AC)

上司がするべきことは……

A: 部下だからと言って無理に何かを指摘する必要はない。大事なのは「指摘すること」ではなく、部下を通じて「成果を上げること」。指摘することに焦点を当てるのではなく、どうやったら成果や部下の目標を実現できるか支援していくことの方が大切。

 自分より優秀な部下と接するのは緊張感がついてまわりますね。何か不適切なことを言って、部下のモチベーションを下げてしまわないかと心配になることも。また、部下の方が優れているという点で気後れしてしまうこともあるでしょう。

 しかし、ここで重要なのは、部下だからといって無理に何かを指摘する必要はない、ということです。上司の役割は「指摘をすること」ではなく、部下を通じて「成果を上げること」です。従って、指摘することに焦点を当てる必要はなく、自分より優れているからと気後れする必要もありません。

 代わりに、部下が持つ視点や価値観、目標について対話し、理解することが必要となります。そして、部下の目標や成果の実現に向けて支援をしていく━━このアプローチで問題ないでしょう。

 このような関わりをベースに、部下にとってモチベーションを下げる可能性のある行動について折に触れて尋ねてみましょう。頻繁にそのような質問をするのは避けた方が無難ですが、ふとした瞬間の質問であれば問題ないでしょう。部下のモチベーションを低下させるようなアプローチを避けることで、信頼は高まります。

 繰り返しになりますが、部下に対して無理に指摘する必要はありません。指摘せずとも、高い成果を上げてくれる部下でいてもらうことの方が重要です。そのために、管理職としてやれることや、やるべきことはたくさんあるはずです。

話を聞いた人:荒金 泰史(あらがね・やすし)

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リクルートマネジメントソリューションズ HRM統括部HRMサービス開発部INSIDESエンタープライズグループ マネジャー/主任研究員 

入社以来、アセスメントサービスの開発・営業に従事し、企業の人事課題に対し、データ/ソフトの両面からソリューションを提供/実証研究を重ねる。上司と部下の1on1、入社者の早期離職、メンタルヘルス予防、エンゲージメント向上、組織開発に詳しい。現場マネジャーに部下との関わり方をアドバイスするHRテクノロジーサービス『INSIDES』の開発責任者を務める。

書籍:『人事・経営陣に知ってほしいエンゲージメントの “真” 常識』(翔泳社)

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