みなし残業制、どうせなら「毎日定時」で帰りたい ダメですか?(3/3 ページ)

» 2023年11月20日 08時00分 公開
[永野 奈々ITmedia]
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求人票を見る際に、損をしないために意識すべきコト

 みなし残業制という制度そのものは決してブラックな訳ではなく、捉え方によっては残業が少ない場合であっても、一定の時間数の残業を行ったとみなして支給がされる得な制度ともいえます。

 しかし、会社側も従業員側も、正しく制度を理解していないことが少なくないため、勘違いや認識の齟齬(そご)が起きやすいことも事実です。会社側は、みなし残業制を正しく理解し、従業員に適切に明示することで認識の齟齬が起きないようにすることが必要です。

 就職活動・転職活動をしている人は、求人に「みなし残業制」と書かれている場合、月トータルの支給額にだけ注目するのではなく、その内容をよく確認しましょう。時間に対する給与、いわゆる「割が良いか悪いか」を気にするのであれば、実際にその部署の自分に近いポジションの人はどのくらい残業をしているのか、人事に確認すると良いでしょう。その上で、繁忙期などで残業時間が増えたとしても、みなし残業時間数を超えるまでは給与は変わらないことを踏まえた上で、入社をするかどうかの判断をした方が賢明です。

著者紹介:永野奈々 (ながの・なな)

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2017年6月社会保険労務士法人 大槻経営労務管理事務所に入所。22年社会保険労務士登録。

前職の金融機関にて人事総務部として勤務をする中で、顧問の社会保険労務士と出会い、自身も法律の知識を元により専門性の高い仕事ができる仕事に憧れ、社労士の道を志す。

社会保険に関するアウトソーシング事務を効率的に回すことに加え、企業の社長や人事からの労務相談に応じることで、働きやすい会社作りに貢献することを目指す。


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