店の風紀は乱れない? 相次ぐ身だしなみルール緩和の背景 きっかけとなった大手の施策とはゾフ、ドンキ、ベルク……(2/5 ページ)

» 2023年11月27日 05時00分 公開
[岩崎剛幸ITmedia]

きっかけは「スタバ」のドレスコード改定か

 流通小売り・サービス業を中心に、ここ数年身だしなみ基準を緩和した企業を整理しました。制服のリニューアルをしつつ、同時に身だしなみ基準を見直している例が多いことが分かります。

各社リリースなどを基に筆者が作成

 各社が基準を見直すきっかけになったのは、21年にスターバックス コーヒー ジャパンが「ドレスコード」を改訂したことだと思われます。特に注目なのが髪色の自由化です。以前は制限があったものの、何色でもOKとしました。筆者が先日入った店舗では、ピンク色のスタッフがいるなど、しっかりと自由化が進んでいるようです。同社が5月に発表した調査結果でも、良い結果が出ていました。

ドレスコードの改訂に関するアンケート結果(出所:スターバックス コーヒー ジャパン公式Webサイト

 調査によると、100%に近いパートナー(店舗スタッフ)がドレスコードの改訂を「良かった」と感じています。利用客とのコミュニケーションが増えたと感じたパートナーも、2人に1人という結果です。「年配のお客さまやビジネスマンの方でも、明るい髪色のパートナーの変化を楽しそうにほめていただけることが多い」「髪色や、服装がコミュニケーションのきっかけになっているのを目にする」といったコメントがありました。

 採用にも好影響を及ぼしています。同社で働きたいきっかけになったと感じているパートナーは7割弱でした。自由化はありつつも、スタバではスタッフがグリーンやブラックのエプロンを共通して着用しています。そのため、あまり乱れた感じを受けず、好印象につながっているのかもしれません。

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