いよいよ12月、社用車利用時の機器を使ったアルコールチェックの義務化が始まる。すでに目視での確認は施行されているが、さらに厳密なチェックが求められる。
新たな安全運転管理業務が追加され、安全運転管理者である総務の担当者は戦々恐々としているかもしれない。
しかしこれは、改めて社内の安全運転管理を徹底できる絶好の機会であることもまた事実である。何もきっかけがない中で、兜(かぶと)の緒を締めても、現場の納得感が得られない。この機器を使ったアルコールチェックをチャンスとして、ねじを巻きなおすのである。
安全運転管理業務として、従来は下記の7つの業務が必要とされていた。
(1)運転者の状況把握
(2)安全運転確保のための運行計画の作成
(3)長距離、夜間運転時の交替要員の配置
(4)異常気象時などの安全確保の措置
(5)点呼などによる安全運転の指示
(6)運転日誌の備え付けと記録管理
(7)運転者に対する安全運転指導
これに加えて、千葉県での飲酒運転事故により、飲酒運転が厳罰化されたことにより、以下の2つが新たに加わった。
(8)酒気帯びの有無の確認及び記録の保存(1年保存)【2023年4月1日施行】
(9)アルコール検知器の使用【24年12月1日施行】
(8)酒気帯びの有無の確認および記録の保存については、運転前後の運転者に対し、当該運転者の状態を目視などで確認、当該運転手の酒気帯びの有無を確認、記録し、1年間保存することが求められる。
保存する内容は、(a)確認者名、(b)運転者名、(c)自動車登録番号等、(d)確認日時、(e)確認の方法(アルコール検知器の使用の有無(12月1日から)、対面でない場合は具体的方法)、(f)酒気帯びの有無、(g)指示事項、(h)その他必要な事項となっている。
加えて、(9)アルコール検知器の使用については、国家公安委員会が定めるアルコール検知器を用いて行い、アルコール検知器を常時有効に保持する必要がある。
アルコール検知器は、呼気中のアルコールを検知し、その有無または濃度を警告音、警告灯、数値などにより示す機能を有するものだ。正常な測定結果が得られないことのないように使用期限や回数を順守し、必要に応じてメンテナンスや買い替えをする必要がある。
酒気帯びの確認の方法は、あくまでも対面が原則であり、安全運転管理者が不在の場合に備え、安全運転管理者の業務を補助する者を任命しておき、確実にアルコールチェックを行える体制を構築する必要がある。
運転手が直行直帰する場合、対面での確認が困難な場合は、運転手にアルコール検知器を携行させ、カメラ、モニターなどによって、運転者の顔色応答の声の調子などとともにアルコール検知器による測定結果を確認する。
携帯電話などの運転手と直接対話できる方法によって、運転者の応答の声の調子などを確認するとともに、アルコール検知器による測定結果を報告させ確認しなければならない。確かに煩雑ではあるが、徹底して行い、飲酒事故防止に努めなければならないのである。
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