この要望を解決するため参考にしたのが、日本に昔からある「かいまき」という寝具だ。かいまきは着物のような形で襟や袖があるため、肩まで覆い隠すことが可能で、保湿性も高い。「住宅の気密性が高くなっている現代では、かいまき独特の厚みや袖が、寝心地や使い勝手を邪魔してしまう可能性がありました。そこで、もっと手軽に使えるものを開発しようと考えたのです」(同社広報担当者)
開発の際には、最大の特徴である腕を通す穴にこだわった。何度もサンプルを作り、穴の大きさや位置、角度、フチの仕上げなど、微調整を繰り返したという。約半年かけて完成させ昨年冬に初めて発売したところ、SNS上で「これを考えた人すごい」「人をダメにする毛布」と人気を集めた。暖冬である今年も昨年からの人気を維持し、売り上げは好調に推移しているという。
開発当初、メインターゲットは寝る前にスマホを使用する割合の高い若年層を想定していた。ところが、発売後は若年層だけでなく、40〜50代からの支持も獲得。同社広報担当者も「この結果は意外だった」と語る。
スマホ毛布は単体だけでなく、「ゲーミング座椅子」とのセット(1万7080円)も販売している。ゲーミング座椅子は、混同されがちなゲームとPC作業の違いに着目し、その両方の用途に対応した座椅子だ。同社は2019年からゲームに特化した家具「ゲーミング家具」を展開しており、ゲーミング座椅子はそのうちの人気商品だ。
スマホ毛布の使用場面として、スマホでのゲーム時も想定している。加えて、ゲーミング座椅子はリクライニング機能も備えており、フルフラットにして横になることも可能だ。スマホ毛布とゲーミング座椅子の組み合わせは、共通する使用場面や性能を生かしあっているといえよう。スマホ毛布とゲーミング座椅子の組み合わせは、昨年に引き続き消費者の支持を獲得できるか。
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