ロータリーエンジンを使用して走行している状態での燃費も気になるところだ。マツダはカタログにWLTCモードでの燃費を明記しており、その数値も目を見張るほどの省燃費ではない(15.4キロ/L)から、むしろ信頼できる。
さらにメーターパネルには、常に電費と燃費を表示している。このあたりに、マツダの実直な気質を感じるのだ。
MX-30 ロータリーEVのメーターパネル。スピードやドライブモードのほか、回生や発電などのチャージ領域と出力領域の状態が分かるメーターや電費と燃費の表示がある。バッテリー残量はアナログ表示と残量割合の表示。さらに燃料の残量と走行可能な距離の表示と、走行距離に関する情報が多いただし、使い方によっては全くエンジンを使用しないケースもあるだろう。しかしエンジンは長期間始動しなければ、不調をきたしてしまうこともある。また、いつまでも同じ燃料がとどまっていると、トラブルの原因にもなりかねない。
マツダもそのあたりは十分把握していて、最長で12カ月間はエンジンを使用しないで充電だけで走り続けられるが、最低でも1年で25リットルの燃料を消費して入れ替える必要があるそうだ。そのあたりは自動化されているので、ユーザーは特に意識する必要はなさそうだが、そこはBEVとは明確に異なる。
MX-30 ロータリーEVのエンジンルーム。EVモデルでは余裕のあったエンジンルームが、パワーユニットによって埋め尽くされている。ロータリーエンジンと発電機だけでなく、冷却系や排気系などもエンジンに付随するため重量増となっている価格はグレードによって幅はあるが、MX-30 EV MODELとほぼ同等の価格を実現している。バッテリーの搭載量を半分にして、エンジンや発電機のコストを乗せても帳尻が合うようにしたのは、良い選択だ。
これがレンジエクステンダーとして、EV MODELと同じバッテリー量を搭載していたら、価格は700万円を超えるはずなので、いよいよ現実的ではなくなる。
何でもかんでも詰め込んで、ユーザーに安心を与えようという方法もある。しかし、無駄に大容量のバッテリーを搭載すると、価格は上昇し、重量は重くなり、劣化したバッテリーのリサイクルコストも上昇するなど、デメリットも増えていく。
最善のエコカーは「PHEV」か「HEV」か 現時点での最適解とは
やはり「CX-60」の乗り心地は“硬い”のか これがマツダの生きる道
エンジン車の燃費は向上できるのか まだまだできることはある
なぜクルマは高くなってしまったのか 高額化に恩恵を受ける人も
「クルマのボディサイズ」が大きくなっている、これだけの理由Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング