【炎上対応まとめ】その時、どうしたらよかった? パワハラ、性加害、寄付金着服……企業の対応を振り返る働き方の「今」を知る(8/8 ページ)

» 2024年02月14日 07時00分 公開
[新田龍ITmedia]
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企業は炎上にどう向き合い、どのように予防していけばよいのか

 ここまで、23年の主な企業が関連する炎上の概要とその対応の問題点について取りまとめた。では、企業は炎上にどう向き合い、どのように予防していけばよいのか。

 いまや、企業や個人の言動は多くの目にさらされている。少しでも違法性があり、モラル意識に欠けるような問題行動や不祥事は瞬く間に多数の人が知るところとなる。そして初動対応や危機管理広報がずさんであれば不手際がさらに広く拡散し、批判が広がり、組織の命運さえ左右する結果となるかもしれない。

 普段崇高な理念を掲げている組織であればあるほど、炎上とそれに続いて殺到する批判により、ポジティブなイメージが一瞬で瓦解してしまう。不名誉な評判と記憶を残すこととなり、場合によっては組織が崩壊し、不用意な発言をした者には莫大な損害賠償が請求される事態となるだろう。では企業としては、炎上をどのように防ぎ、また仮に炎上トラブルに巻き込まれてしまった場合はどう対処すればよいのだろうか。

 炎上が大きく広がってから事態収拾するために要する労力、お金、時間などはあまりに膨大であり、組織の貴重なリソースを激しく無駄にしてしまう。炎上対策の基本は「そもそも発生させない」こと。そのために予防体制を徹底するのが一番である。

 炎上が起こりかけたタイミングに共通する基本的な心構えは、次の3点に集約される。

1.落ち着いて現状把握
2.迅速対応(ただし拙速は避ける)
3.積極的な情報開示

 上記は言葉にするとシンプルだが、それぞれ対処するにあたって知っておきたい考え方と動き方のポイントがある。

 詳細は次回の記事で解説する。

著者プロフィール・新田龍(にったりょう)

働き方改革総合研究所株式会社 代表取締役

早稲田大学卒業後、複数の上場企業で事業企画、営業管理職、コンサルタント、人事採用担当職などを歴任。2007年、働き方改革総合研究所株式会社設立。「労働環境改善による業績および従業員エンゲージメント向上支援」「ビジネスと労務関連のトラブル解決支援」「炎上予防とレピュテーション改善支援」を手掛ける。各種メディアで労働問題、ハラスメント、炎上トラブルについてコメント。厚生労働省ハラスメント対策企画委員。

 

著書に『ワタミの失敗〜「善意の会社」がブラック企業と呼ばれた構造』(KADOKAWA)、『問題社員の正しい辞めさせ方』(リチェンジ)他多数。最新刊『炎上回避マニュアル』(徳間書店)、最新監修書『令和版 新社会人が本当に知りたいビジネスマナー大全』(KADOKAWA)発売中。

11月22日に新刊『「部下の気持ちがわからない」と思ったら読む本』(ハーパーコリンズ・ジャパン)発売。


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