食器は機能だけではなくデザインも独特。平皿、深皿2種、ボウルの計4種をつくったが、どれも突起のようなものがある。
「特徴のないデザインにすると、お客さまからするとどれが汚れを落としやすい食器が分からなくなる恐れがあります。ただの白くて円い皿ではなく、パッと見て汚れが落としやすい食器だと分かる象徴的なデザインにする必要がありました」と高野氏。このデザインは、指を掛けやすくするために採用した。飛び出たところに親指を置いて片手で持ったまま水を流し、汚れが落ちたら水切りかごに入れて終わり、という流れをデザインにした。
独特な形状ゆえ、職人が1枚1枚手づくりしている。できるまでに時間がかかり、なかなか量産できない。
「お皿をつくることがこんなに大変だとは思っていませんでした。ものすごく製造原価がかかっています」
加えて、表面改質を施すことによって一般的な食器より輸送と保管のコストがかかる。輸送の手間がかかることも製造原価を押し上げた。
当初は、「無印良品の食器の1.3倍程度の価格で販売できれば……」と漠然とイメージしていた高野氏だったが、製造原価があまりにもかかりすぎたため、4種セットの販売価格はブランド公式オンラインショップで1万3970円。有名ブランドの食器セット並みの価格となった。
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