フォアグラの現状について、高崎氏は次のように話す。
「ここ数年でフォアグラの輸入量は従来の3分の1ほどまで減少しました。そんな中、ホテルやフレンチレストラン向けに活動している営業から『フォアグラが入ってないとお困りのお客さまがいる』と声が挙がっていました」
社会的に生産方法が問題視され、かつ供給量が減少しているフォアグラだが、いまだニーズは根強い。そこで、もともとフードロスを課題視していた鶏レバーの活用に思い至ったという。
ハム・ソーセージの加工事業を祖業に持つ日本ハムだが、加工前の肉を自社で生産して販売したり、外食産業向けに卸販売をしたりしている。その中で、具体的な数量は非開示とのことだが、鶏レバーは焼き鳥などの需要が旺盛な夏には売れる一方、冬場は売り上げが伸び悩む傾向にあった。閑散期には飼料に混ぜ込むなど工夫を重ねていたものの、もっと活用できないかと考えていたという。
そこで、鶏レバーでフォアグラを再現するという、グラフォアのアイデアの原型が生まれた。当時の名称は「まるでフォアグラ」。自らも審査員を務める高崎氏は、当時の商品としての完成度を「50点くらい」としつつも、ネーミングをさらに伝わりやすいものに変えれば十分に戦えると判断した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング