一方でまだ課題もある。リテールメディア全体として定量的な計測にはまだ難しさが残っている。業界全体で評価軸を明確にしていく必要がありそうだ。
「費用対効果を考えると、施策の効果を見える化し、分かりやすくしていきたいですね。そのためには、広告を見たから買ったなど、そこまで追えたらいいのですが、なかなか難しいと思います。従って、効果をどう評価するかという評価軸を作ることは、今後向き合っていきたい課題です」(日本コカ・コーラ 香川さん)
ファミリーマートも今後の課題として、「活用方法と指標の確立」を挙げる。
「どういう指標で評価するべきかという部分が確立できていないことは、マーケット全体の大きな課題だと認識しています。現状はまだ拡大中ということもあり、広告出稿側からしたら環境面や活用方法で使いにくい部分が残っている可能性もあります。
当社では、広告主の企業にも、顧客にも喜んでいただける三方良しの業界を目指し、メディアネットワークの拡大に取り組んでいます。23年5月には、ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス社とリテールメディア事業での協業を発表しました」(ファミリーマート 国立さん)
他にも、23年2月にはファミペイとコカ・コーラ公式アプリ「Coke ON」のコラボレーションキャンペーンを実施。コンビニと自動販売機、異なる購買シーンを持つ2つのアプリが連携することで、相互送客に成功したという。今後も、さらなる連携を検討し、メディア価値の向上を目指していく。
また、FamilyMartVisionの活用方法と効果検証の精度向上も目指す。ノウハウを蓄積し、サイネージ活用の最適解を探る。
「サイネージをどう使えば売り上げが伸びるのか、どういう広告を打つと売り上げが伸びるのかも、踏み込んで分析していきます。広告主であるメーカーと一緒にトライアンドエラーを繰り返しながらより効果的な使い方を探っていき、知見を蓄積します。
例えば3画面をどう使ったときが一番効果が出やすいかとか、メッセージはどこの画面に映すのが一番注目を集めるのかなどの知見を蓄積することこそ、今後の大きな差別化ポイントになると考えています」(ゲート・ワン 速水さん)
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