2019年4月に働き方改革関連法が施行され、多くの業種で時間外労働の上限規制が適用されている。これまで規制が猶予されてきた物流業・建設業・医師などについても、24年4月から適用される。
「残業」について、ビジネスパーソンはどんな意識を持っているのか。転職エージェントのワークポート(東京都品川区)が調査した。
調査は20〜40代のビジネスパーソン631人から回答を得た。
「残業をしたくない」とした人は合わせて77.8%に上った。内訳は「全くしたくない」が26.1%、「あまりしたくない」が51.7%だった。
残業をしたくない理由は「自分の時間を大切にしたいから」(30代女性・事務)、「家族との時間を確保するため」(40代男性・営業)など、プライベートを重視する意見が中心となった。
また「継続的な残業は生産性が低下するため」(40代男性・コンサルタント)、「メリハリがなくなり就業時間中のパフォーマンスが落ちるため」(20代女性・システムエンジニア)など、仕事の質を保つためにという声も多く見られた。
一方で「残業をしたい」とした人からは「残業代を稼ぐため」(40代男性・機械系エンジニア)など、収入を増やすことを目的とした意見が挙がった。
残業をした分だけ手当が出る場合、残業を「したい」とした人は4割に満たない結果に。「全くしたくない」「あまりしたくない」とした人は合わせて62.5%に上った。
1カ月の平均残業時間について、最も多い回答は「1〜5時間」となり16.8%だった。次に「0時間(残業なし)」(13.8%)、「16〜20時間」(11.9%)と続いた。また、残業量については「月平均10時間以下」だと「残業が少ない」、「26時間以上」だと「残業が多い」と感じる人が多い傾向となった。
月平均残業時間が比較的少ないことに加え、過半数が「手当が出ても残業をしたくない」という考えを持っていることからも、現代のビジネスパーソンの間では残業をしないスタンスが主流になってきている様子がうかがえる結果となった。
意図しない残業を強いられたことが「ある」とした人は合わせて46.2%と半数近くに上った。
回答者からは「期限が当日中の仕事を定時ごろに上司から依頼された」(40代男性・機械系エンジニア)、「上司に帰ることができない雰囲気をつくられる」(30代男性・管理)など、ほとんどが上司によるものだった。
さらに「目上の人から、早く帰れると思うなよとはっきり言われた」(40代男性・管理)など、残業を強制する直接的な発言を受けたことがある人も一部見受けられた。
勤務先の残業に関する対策について、64.6%の人が不十分だとした。回答者からは「人員を増やして、仕事量が均等になるようにしてほしい」(40代男性・建築土木)といった、人手不足の解消や業務量の見直しを求めるコメントが目立った。
その他「業務効率化と従業員の意識改革」(30代男性・企画マーケティング)、「一定時間でのPCシャットダウン」(30代女性・公務員)、「ノー残業デーを設ける」(30代男性・システムエンジニア)などの意見も見られた。
調査は2月29日〜3月7日にインターネットで実施した。
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