シェアリングが普及した背景に何があった? 「Airbnb」と「akippa」のビジネスモデルビジネスモデルが分かる(1/7 ページ)

» 2024年03月23日 09時00分 公開

【基本コンセプト】

 シェアリングとは、使われていないモノや労働力を、時限的に市場に出して共有するサービスです。そもそも「シェア(共有 )」には、2つの意味合いがあります。

 1つめの意味は「モノを個人間でシェアする」という意味です。カーシェアや衣料品のシェアサービスなどはこの意味合いに含まれるサービスです。

 2つめの意味は「労働力をシェアする」という意味です。企業の利用が進むクラウドソーシングは、仕事を発注したい企業と受注したい個人とをマッチングさせるものですが、これは、個人が複数の企業のために働くことによって実現しているため、企業側から見ると「労働力がシェアされている」といえます。

【モノ・労働力のシェアの仲介】

 シェアリングの代表例には、民泊(宿泊施設を個人間で貸し借りすること)の市場を開拓したアメリカのAirbnb(エアビーアンドビー)があります。Airbnbは「部屋を貸したい個人」と「部屋を借りたい個人」をつなぐ仲介役としてサービスを展開しています。他にも、ライドシェア(一般人のドライバーが空き時間を使って、自家用車で乗客を運ぶサービス)を仲介するUberやLyftもシェアリングの代表例です。

 これらのビジネスはすべて、上記で解説した「モノの個人間シェア」や「労働力のシェア」という側面を持っています。例えば、民泊では空室や物件という「モノ」がシェアされ、ライドシェアでは自家用車という「モノ」がシェアされます。また、UberやLyftなどのライドシェアでは運転手の労働力がシェアされているといえます。

 このように、シェアリングは、使われていない資産や個人の能力を一時的に市場に出して、個人間でマッチング(仲介)させるサービスという側面を持っているため「媒介型プラットフォーム」の一種といえます。

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