シェアリングが普及した背景に何があった? 「Airbnb」と「akippa」のビジネスモデルビジネスモデルが分かる(3/7 ページ)

» 2024年03月23日 09時00分 公開

【事例1:Airbnb】

 Airbnb は、宿泊のための部屋(空室)の貸し借りの仲介を行う企業です。2008年にサンフランシスコで設立された同社の Web サイトには、2020年8月時点で、全世界の約190の国と地域において、約600万件の宿泊先(リスティング数)が登録されています。登録宿泊先数では世界一の宿泊サービスといえます。ゲストが支払う宿泊費はAirbnbに振り込まれ、同社が15%程度の手数料を引いた後、残りの宿泊費がホストに支払われます。

 Airbnbのもともとのコンセプトは「ホームシェア」であり、当初はホスト(個人)が自分の家の空室をゲストに提供する個人間取引の仲介サービスとしてはじまりましたが、現在は、ホストが住んでいない家や宿泊用に購入された物件も登録されています。

 Airbnbが市場に根付いた背景には、ホストとゲストがお互いに信用できるシステムを作り上げたことがあります。ゲストは「部屋が事前情報通りであったか」や「ホストの対応」などを評価します。一方、ホストは「ゲストの部屋の利用にあたっての行動や振る舞い」を評価します。また、総合評価やキャンセル率などの複数の条件を満たしたホストを「スーパーホスト」として認定することで、信頼性をわかりやすく表現することに努めています。

 結果として、ゲストは場所や設備、価格など以外に、レビュー(ホストに対する評価)を見て部屋を予約します。一方で、ホストは評価の低いゲストの宿泊を拒否することもできます。

 加えて、同サービスを利用するには、実名と住所、もしくは公的機関発行の身分証明書(運転免許証、パスポートなど)のいずれかによる本人確認がAirbnbによって求められる場合があり、これもホストとゲスト双方の信頼性を高める仕組みの1つになっています。

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