攻める総務

「会議室を探す時間」を“月250時間”削減 三菱自動車が導入した新システムの中身(2/3 ページ)

» 2024年04月04日 12時30分 公開
[渡辺まりかITmedia]

月約250時間の削減 浮いた時間は「生産性の高い仕事に」

 完成した三菱自動車仕様のSmartOfficeNavigatorは、コーポレートカラーである白、黒、赤、グレーをデザインに取り入れることで「使用中に、うちの会社のシステムだと感じられるようにした」と甲能氏。「見栄えを良くすることで、使ってもらいやすくなったと思う」と語る。

SmartOfficeNavigator 三菱自動車が内田洋行と協創して完成した三菱自動車仕様の「SmartOfficeNavigator」

 実際、2019年の導入から6カ月後のアンケートでは岡崎地区で働く社員の70%に認知されており、非常によく使っている、またはたまに使っていると答えた人が69%と、高い割合で使われていることが分かる。

photo SmartOfficeNavigatorと会議室予約・運用システム「SmartRooms」を連携させている

 1カ月当たりの利用回数は4000〜5000回に上る。「会議室を探す時間を、1回当たり3分短縮できたとしたら、1カ月で1万5000分、時間に直すと250時間を短縮して、余剰時間を生み出したことになる。その分、生産性の高い仕事に時間を割り当てられる」と加藤氏は顔をほころばせた。

 18年10月に完成した当初の新オフィスビルは座席固定だったため、導入した19年時点では社員の居場所検索機能は不要だった。しかし、コロナ禍を経て設計本館をリニューアルし、1階、3階部分をフリーアドレス化。これに伴い、同ツール内に居場所検索機能も拡充した。設計本館だけでなく、開発本館の従業員も誰がどこにいるか検索したり、混雑状況を把握したりできる。

 スマートオフィス化の取り組みは、ツール導入のみにとどまらない。Wi-Fiを強化し、建物内のどこにいても働ける環境整備や、食堂のメニュー情報を建物内のサイネージで表示するなど、さまざまな整備をした。

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