アシックス商事(神戸市)が展開する「テクシーリュクス」は、本革仕様の本格ビジネスシューズでありながらスニーカーのような履き心地を目指して開発された商品で、累計出荷足数が720万足を突破している(2023年12月末時点)。
ビジネスウェアがどんどんカジュアル化する中で、消費者のニーズにはどのような変化が起きているのだろうか。同社の鈴木徹氏(事業戦略本部 事業・ブランド戦略部 事業戦略チーム)に話を聞いた。
テクシーリュクスは「革靴は硬くて重くて痛い」というイメージを覆すため、09年に誕生した。同社はもともと、イトーヨーカドーなどのGMSに向けた、手に取りやすい価格帯のカジュアルシューズを手掛けてきた。テクシーリュクスの発売当初は、ビジネスシューズ市場に参入してシェアを取るために「価格革命」というキャッチコピーを掲げ、特に安さを訴求してきた(出所:アシックス商事 プロジェクトストーリー)。
13年にはクールビズ拡大を背景に「Sports Biz Style」を掲げ、履き心地の良さを追求したシリーズを発売。スニーカーと同じ構造となっていることや、従来の革靴とは違う履き心地を伝えるために「スニーカーのような」というような表現も使うようになっていった。
18年には、現在もユーザーから根強い人気を誇るという「アブソリュートバリューズ」と「フレキシブルドレス」の2シリーズを発売。累計出荷足数も400万足を突破した。アブソリュートバリューズは、フィット感を高めた履き心地と、上質感あるデザイン性を両立させたモデルで、価格は1万2100円(希望小売価格、以下同)。フレキシブルドレスは、軽さや履き心地といった機能性と、シルエットの美しさを両立させたシリーズ。一番の売れ筋で、価格は9900円だ。
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