「47都道府県ピンバッジ」が人気 なぜ「群馬県」が断トツに売れたのか火曜日に「へえ」な話(2/5 ページ)

» 2024年04月09日 06時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

売れそうなピンバッジの特徴

 ただ開発にあたって、懸念がひとつあった。「日本列島ピンバッジ」は9種類なので、よく売れたモノとそうでなかったモノの“差”はそれほどなかった。しかし、47種類もあれば話は別である。例えば、人口が最も多い「東京都」はものすごく売れて、最も少ない「鳥取県」は苦戦するかもしれない。

 となれば、会社としては「在庫」を抱えることになる。事業の柱ではないとはいえ、ビジネスの世界である。損失を出すわけにはいかないので、慎重な姿勢を崩さず、PRなどにチカラを入れて販売することにしたのだ。

日本列島ピンバッジと47都道府県ピンバッジ
日本列島ピンバッジ(中部)

 開発メンバーは、売り上げをどのように見込んでいたのだろうか。いろいろ議論していく中で、「人気が出そうなピンバッジには4つの要因があるかも」という考えにたどり着いた。

 1つめは「人口」である。東京都、大阪府、愛知県といった都市部に比べると、鳥取県、島根県、高知県の売れ行きはやや渋いかもしれない。単純に「母数=購入者」というロジックである。

人口を考えると「東京都」が最も売れるかも
人口が少ない「鳥取県」は苦戦した?

 2つめは「カタチ」である。多くの人にとって記憶に残っていたり、シルエットが何かに似ていたり、そうした都道府県は人気が出るかもと予想していた。例えば、北海道は「旅行に行ったことがあるし、なんとなく存在感があるよね」、千葉県は「イヌ(チーバくん)のカタチをしていてかわいいよね」といった理由で購入する人が多いのではないかと。

 3つめは「販売場所」である。当時、ショップは2カ所あって(現在は4カ所)、いずれも福岡県である。さらに、ゼンリンの本社は福岡県である。立地を考えると、福岡県が上位にくるのではないかと予測していた。

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