事業が行き詰る一番の要因は「計画」? 参考にしたい3つのステップビジネスを成功に導く「相談の力」(1/4 ページ)

» 2024年04月18日 17時30分 公開
[山中哲男ITmedia]

ビジネスを成功を導く「相談の力」

 物事に行き詰った時、誰かに相談していますか? 相談は、行き詰った物事を前に進め、一人では乗り越えられない限界を超え、自らの可能性を最大化できる最強のビジネススキルです。しかし、ほとんどのビジネスパーソンは相談の仕方を学んだことがなく、相談を効果的に使いこなせていません。

 本連載では、誰もがすぐに実践できる相談のメリットと効果的な方法について、事業開発・事業戦略立案の専門家である山中哲男氏が解説します。

 「ビジネスを成功に導く『相談の力』」2本目の本記事では、事業の進め方について解説します。最後には、読者から寄せられた「優秀な社員(管理職)が相談するようになるか?」との悩みにも回答しています。ぜひ皆さんのビジネスにお役立てください。

計画は最後に立てる?

 新規事業であれ既存事業であれ必ず最初に「計画」を立てます。実は、この計画こそが事業の行き詰る一番の要因だと言ったら、皆さんはどう思いますか?

 「計画を立てる」と、多くの人は構想が形になりそうだと安心します。そして計画通りに進めようとしがちです。しかし、事業は生き物のようなもので予測不可能な面もあります。日々、環境が変化しているこの時代、当初の計画通りに進む方がまれです。そのため私は計画を最後に立てるようにしています。正確に言うと、計画は“立てる”ものではなく“育てる”ものであると考えています。

 「では、計画をする前に何をすればいいのか?」と疑問に思う読者もいるでしょう。順番としては「見立て」「仮説」があり、最後に「計画」がきます。この3つ全ての段階で「相談」が力を発揮します。順番に説明していきましょう。

相談 計画は“立てる”ものではなく“育てる”もの(画像提供:ゲッティイメージズ)

 まず「見立て」とは、未検証のアイデアや思い付きのことを指し、自分一人だけで考えている状態です。例えば、「◯◯をやってみたい」「こんな事業ができたらみんな喜ぶんじゃないか」というイメージです。

 私自身、焼鳥居酒屋経営を始める前には「飲食店なら何となくできそう。全国展開しているようなチェーン店は難しそうだが、地元密着型の居酒屋経営なら素人の自分でもできるんじゃないか」「新しく店を出すのではなく、居抜きでやればカネもコネもない自分でも始められるんじゃないか」という見立てを持っていました。

 あくまで自分の頭の中で考えているだけなので「本当にそうか?」を検証する必要があります。だからこそ、自分の思い込みに気付くための相談が必要なのです。「見立て」は相談によって「仮説」へと進化します。

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