近年、外国人観光客向けの「インバウンド価格」が話題になっているが、同じような狙いがあるのだろうか。同社の広報担当者は「インバウンド価格ではなく、銀座価格です」と説明する。限定商品が全体的に高額なのは、特別な食材を使用しているためだという。例えば、海老天には甘みとプリッとした食感が特徴のアシアカエビを使用している。
東京は海外のレストランガイドで高評価の飲食店が多い都市であり、銀座は日本を代表する有名店が多い。世界中から集まった美食家だけでなく、国内の消費者にも来店してもらいたいと同社は説明する。
銀座店は、東京・浅草や大阪・道頓堀にある既存のグローバル旗艦店と同様、店内に浮世絵や提灯を飾っている。また、テーブルや柱には白木を使ったり、座席に畳シートを採用したりしている。これらは、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏がプロデュースしたものだ。店舗面積は約200坪、座席数は242席、寿司を流す回転ベルトの長さは国内外のくら寿司店舗で最長となる123.14メートルとなっている。旗艦店の中では最大規模だ。
昨今の迷惑動画騒動などにより、スシローは利用客が注文した商品だけを提供するようになったが、くら寿司はベルトにさまざまな商品を流し続けている。回転する寿司を見る楽しさだけでなく、店舗内のさまざまな体験価値により差別化を図る狙いだ。新しくオープンする銀座の旗艦店は、こうした同社の戦略を象徴している。
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