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数億円の損失も! 従業員が「メンタルブロック」を起こす前に企業が取るべき行動は?今こそ! 企業内イノベーション(3/3 ページ)

» 2024年05月17日 07時00分 公開
[関屋剛ITmedia]
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チーム構成とコミュニケーションが鍵

 メンタルブロックの対処方法について聞いたところ、回答者の39%が「休息をとる」と回答し、28%が「同僚と話をする」と答えました。しかし先の項目で、55%が「メンタルブロックに対処するより良い方法があってほしい」と願っており、現在のアプローチでは不十分であることが分かります。では、知識労働者はどのようにしてメンタルブロックをより効果的に克服できるのでしょうか。

 調査結果から考えるに、メンタルブロックへの対処法として、チーム構成を再検討することが有効であるようです。

 メンタルブロックが発生する場面を尋ねたところ、「企業のリーダー格となる人との業務」(38%)、「単独プロジェクト」(38%)が特に多くなりました。一方、「自身のチームメンバーとの共同作業」においては27%でした。

 明確なコミュニケーションとリソースへのアクセスは、業務の円滑化にもつながります。前述の通り、メンタルブロックは情報収集の段階で特に発生しやすく、「理解できないプロジェクトに取り組んでいるとき」(58%)、「自身の担当範囲外の業務にあたるとき」(49%)、「関心のない業務を行うとき」(47%)など、情報へのアクセスがない場合や業務への理解や関心度が薄い際に発生する傾向にあります。

業務への理解や関心度が薄い場合は要注意(画像提供:ゲッティイメージズ)

 企業の経営層や管理職は、従業員に対して明確な期待値やゴールを設定し、業務フローや業務関連ツール、情報のソースを簡素化するなど従業員がタスクをよりシームレスに進められる環境を構築すべきでしょう。

 ここまで、メンタルブロックが企業に与える影響とその解決策を考えてきました。調査結果から見えた知識労働者のメンタルブロックを軽減する方法は次の通りです。

  • 適切なチーム構成/コラボレーションの設定
  • 明確なコミュニケーションによる業務への理解度と関心の向上
  • 革新的なコラボレーションツールによる生産的なワークフローの構築

 上記により、知識労働者の業務に対する障壁が軽減され、創造性とウェルビーイングが向上し、組織のイノベーションが促進されるはずです。ぜひ、自社の業務やチームの現状について改めて見直し、メンタルブロックによる損失を軽減していただければ幸いです。

著者プロフィール

関屋 剛(ミロ・ジャパン合同会社 Head of Japan Sales)

1962年生まれ、青山学院大学を卒業後、三谷産業に就職。96年に日本オラクルに入社し、営業一筋でエンタープライズパフォーマンス管理/ビジネスインテリジェンス製品のソフトウェアライセンス分野における執行役員を歴任した。2012年にシマンテックに入社。常務執行役員 コマーシャル営業統括本部長を経て、15年代表取締役に就任。その後、日本オラクルでテクノロジー統括(クラウド営業統括)専務執行役員など要職を歴任し、Sumo Logicにてエンタープライズ営業部長を経て、23年にMiroへ入社。30年近いITエンタープライズ業界での営業経験を生かし、Miro Japanで営業部門を統括している。


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