ビジネスパーソンは、メンタルブロックを克服するためにどれくらいの時間を費やしているのでしょうか。尋ねたところ、42%が「週に数時間」と回答し、26%は「1日に数時間」と答えました。驚くべきことに、7%は「1日のほとんどの時間」をメンタルブロックに費やしていたのです。メンタルブロックが従業員の生産性を低下させていることが明らかになりました。
この結果を従業員1000人を抱える企業に置き換えてみると、約半数の従業員が、週に数時間のメンタルブロックを経験していることになります。それぞれの生産性が週に3時間低下していると仮定すると、年間約8000万円の損失が出ています(2023年10月時点の最低賃金全国平均である1004円で算出)。もちろん知識労働者の時間給は最低賃金の数倍と想定されるため、実際の被害額は数億円に上ると推測されます。
メンタルブロックは損失を生んでいるだけでなく、組織や自己に対する不信感、燃え尽き症候群の一因となり、組織の健全な業務遂行を妨げる可能性があります。
メンタルブロックに起因する感情として知識労働者は「不安」(49%)、「イライラ」(41%)、「心配」(39%)を感じることがよくあり、個人レベルでは次のような調査結果が見られました。
※1インポスター症候群:成功や成果に関わらず、自分がそれに値しないと感じる心理状態
上記の結果から見て取れるのは、メンタルブロックを対処する方法に苦悩している知識労働者が多いことです。特に注目すべきは、「プロジェクトやタスクの価値を疑ってしまう」「適切な上司がいるのか疑問に思う」といった、組織に対する不信感が上位にある点です。4番目以降の回答には、従業員の健康状態に悪影響を及ぼす可能性のある要素が含まれています。企業にとっても従業員にとっても望ましくない障害の発生を示しており、組織的に早期の対応を検討する必要があるでしょう。
また、調査対象者の88%が、メンタルブロックが仕事のパフォーマンスに与える影響を懸念しています。その中で、34%がメンタルブロックによって怠惰または仕事が遅いと感じられることを、27%が業務の遅延を、24%が自身の評価に影響することを心配しています。
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