これは消防団も同様だ。人口減少で火災は緩やかに減っているが、ゲリラ豪雨や土砂崩れなど水害が増えている。地震と人口減少は何ら関係がないので、消防団が果たす役割はどんどん増えている。
しかし、こちらもマンパワー的にはアップアップだ。戦後間もない1954年の202万人をピークに減少が続き、2023年は76万人まで減っている。
これだけ分かりやすくマンパワーが減れば当然、急な災害には対応できない。その典型例が、東日本大震災の被災地にもなった岩手県釜石市だ。NHKの報道によれば、市内の消防団員は震災前から260人以上減って528人(2023年4月)だという。
そんな人手不足の釜石市消防団に2024年1月22日の午前9時、消防本部からポンプ車の出動要請が来た。地域で起きた火災の初期消火をしてほしいというのだ。
しかし、ポンプ車を動かせる最低人員の3人も集められなかった。多くの消防団員が会社勤めで出勤したばかりだったということもあるが、根本的なところでは消防団員が少ないからだ。
さて、このような消防団と猟友会の共通点を見ていけば、筆者が何を言わんとしているのかお分かりだろう。
本来、地域の災害に命をかけて立ち向かう人たちなので、その危険性や労力に見合った報酬が支払われなくてはいけない。しかし、支給されているのは、高校生のコンビニバイトと同程度の日当8000円だ。
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