【2024年6月3日午前10時00分 タイトルの一部を修正いたしました。】
AIと共存する営業組織の再設計:「管理から収益」への価値転換
【開催期間】2024年7月9日(火)〜7月28日(日)
【視聴】無料
【視聴方法】こちらより事前登録
【概要】
AIは急速に進化し、2040年には多くの営業業務を代替しうる。では企業は何に投資し、何に取り組むべきか?本講演では、AI が営業組織に及ぼす影響、管理から収益目的へのテクノロジーの転換、具体的な対処法等 人とAIの共存に関する最適解をご紹介。
AIが登場して以来、「AIが人の仕事を代替する」という風説が後を絶えません。24時間連続でミスなく正確に、人間に勝るスピードで情報処理能力を持つ特性から、AIによる職業の代替はビジネスのあらゆる分野で長きに渡り論点となっています。2022年末に文章や画像などコンテンツの自動生成能力を持つ「生成AI」が登場して以降、その応用方法に関する議論がさらに活発化しています。
営業の分野でも、業務効率化・顧客への付加価値向上を目的に、セールステック企業各社でAI機能開発が進められている他、急速に市場拡大する営業BPaaS(Business Process as a Service、特定の業務プロセスを外注できるクラウドサービス)領域でのAI活用に注目が集まっています。
本連載ではAI活用が急速に進む中、注目度が高まる「Revenue Operations」(以下RevOps)について考察します。
第一回は、AIを組織に組み込むために必要となる、全社的な業務デザインを連携し、組織全体としての収益成長を実現するためのオペレーション設計・管理を担うRevOpsについて、Google Japanで営業統括部長、freeeで営業統括役員を歴任し、現在はMagic Momentの代表を務める村尾祐弥氏が解説します。
セールステック市場では、古くはCRMやSFAの活用からはじまり、BI、人工知能(AI)、機械学習(ML)、IaaS、PaaS、SaaSといったクラウドソリューションの利用が一般化してきました。加えてこれらのソリューションを統合的かつ効率的に利用するために、ビジネスプロセスそのものを外注するBPaaSが注目を集めるなど、AIを中心に目まぐるしい変化が起きています。ある報告書によると2022年時点でBPaaSのグローバル市場規模は約57億ドルにのぼり、2035年には約200億ドルに達するという見立てもあるほどです。
複雑化したテクノロジー群を統合し、外部委託するBPaaSのようなサービスは、生成AIの登場でビジネスのスピードと不確実性が高まりつつある現代において、資本効率化を実現する有効な手段だといえるでしょう。この動きは米国のみならず、特にエンタープライズ企業を中心に外注やBPOの活用が多い日本の営業領域でも広がっていくことが予想されます。こうした営業のビジネスプロセスを効率化・自動化するときに、肝となるのがRevOpsという役割になります。
まずはRevOpsという役割・チームが米国の営業組織で2010年代前半から現在に至るまで重要視されてきた理由をお話します。
THE MODEL型の従来の組織では、マーケティング・セールス・カスタマーサクセスなどに分割された各部門が、それぞれ顧客ライフサイクルの一部のみに責任を負い、顧客を受け渡していくような構造でした。これは、言い換えれば「全てを割り切る」スタイルです。「管理がしやすい」「PDCAが回しやすい」といった優れた点がある一方で、縦割りによる弊害も発生します。
部門ごとに異なる成果目標を達成するための責任者が存在し、異なるツールの導入や活用が進むことで、それぞれの部門に最適化された形式でデータが蓄積されます。サイロ化した組織では蓄積されるデータの目的も形式も異なるために、部門を超えた統合が非常に難しくなるという実態があります。つまり本来は連続性を持つ顧客体験が、データ上では分断された形式となってしまうのです。
対策として、グローバル企業では全社横断的な取り組みを進めるために、デジタル基盤の統合や運用を一括管理し、推進する役割としてRevOpsが登場しました。RevOpsは、全社的な業務デザイン(マーケティング、セールス、カスタマーサクセスなどの部門)を連携し、組織全体としての収益成長を実現するためのオペレーション設計・管理を担います。
RevOpsは顧客ライフサイクルを横断し、マーケティング・セールス・カスタマーサポート(カスタマーサクセス)といった、売り上げの創出・維持拡大に必要なチームを結び付け、組織の縦割りをなくします。
具体的な役割としては、複数の部門・職位を横断して、企業全体のビジネスプロセスやシステム、データ管理を通じ、顧客とのエンゲージメントの最適化、効率的なリソース配分、収益目標の達成などを実現するための調整役を果たします。
全てのチームを統合組織に進化させるために、テクノロジー・オペレーション・スタッフ(従業員・派遣社員・業務委託先)を全社最適でデザインすることが最大の特徴です。
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