営業活動においてAIの分析機能や業務の自動化といった強みを活用し恩恵を受けるためには、AIが学習するための「データ」が不可欠です。データの蓄積・運用には組織横断の連携が求められますが、難易度が高いため、RevOpsの重要性がますます高まるでしょう。
Gartnerの調査により、世界で最も高い成長率を誇る企業の75%が、2025年までにRevOpsのモデルを導入すると予測されています。RevOpsは米国で約20年前に大まかに定義された概念として登場してから、確立されたビジネス機能へと進化し、現在では多くの組織が専任のRevOpsチーム、または個人を雇用しています。
米国のこういった動きには、3つの要因があると考えられます。
かつてスペックと価格で購買の意思決定がされていた時代と比べ、今は消費者が多様な購買の選択肢と情報を持ち、選べる時代になりました。企業側は提供する製品やサービスの品質を高めていくことはもちろん、営業活動においてもマーケティング、セールス、カスタマーサクセスのあらゆる場面で、顧客側が期待する経済的価値を超える価値や顧客体験を提供する姿勢が重要となっています。
分析技術の台頭により機械が人間に代わって膨大なデータを読み込み、分析できるようになったことで、これまで以上にデータの有用性が重要な意味を持っています。
例えば、営業データを活用することで発揮できる価値としては、ナーチャリングで「A」というデータがあれば、それが成約の段階で「B」というデータと相関があるかどうかだけでなく、オンボーディングが完了した1年後の継続利用に正の相関が平均〇〇円見られる――など、顧客価値につながる行動の相関を見つけ、営業活動に生かすことが可能です。
分析技術に資本を投下しても、社内に蓄積されたデータの品質が担保されているかどうかで、コストに対する投資対効果は数倍のレベルで変わります。
AIの最大の強みは、人間の知的行動を学習・分析し、再現できる点です。その強みを生かし、業務効率化や付加価値の創造につなげるためには学習データが必要になるため、データの蓄積や運用に対する関心が高まっています。
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