“管理しすぎる”上司に共通する特徴は? 3割強が「上司の管理過剰」を指摘

» 2024年06月10日 08時00分 公開
[サトウナナミITmedia]

 3割強が上司からの管理過剰を感じている──。そのような結果がリクルートマネジメントソリューションズ(東京都港区)が実施した調査で明らかとなった。「管理しすぎる」上司の特徴とは……?

photo 会社や上司からの管理に関する意識調査(写真AC)

“管理しすぎる”上司に共通する特徴は?

 現在の上司は「管理しすぎである」とした人は合わせて32.5%に上った。また、「上司からの管理に息苦しさを覚える」とした人は34.7%、「上司からの管理がわずらわしい」とした人は35.9%だった。その他、「これがなければ、もっと高い成果が出せるのにと思うような、上司からの管理がある」とした人は39.1%を占めた。

 上司からの管理過剰感に関する具体的な内容は「細かな指示や口出し」「報連相」「終業後や休日の連絡」「業務を理解していないのに管理・介入」「押し付ける・受け入れない」といった意見が挙げられ、意図に納得できない管理に対し過剰だと感じる様子が見受けられた。

photo 会社や上司からの管理過剰感(リクルート調べ)

 上司の特徴によって上司管理過剰感は異なるのか。「なぜこんな指摘や指導をするのかと思うことがある」という懐疑心や「細かく報告・連絡・相談を求める」というマイクロマネジメントの要素があると、上司管理過剰感は高くなる傾向となった。

 「自律的に働けるよう任せてくれる」「考えや意見を尊重してくれる」という自律・尊重の態度がある場合、上司管理過剰感は低くなる結果に。一方で「放任であり、適切な業務上の支援がない」という場合は上司管理過剰感が高くなる傾向が明らかとなった。

photo 【上司の特徴別】上司管理過剰感(リクルート調べ)

“管理しすぎる”会社に共通する特徴は?

 一方で「会社は従業員のことを管理しすぎである」と回答した人は合わせて46.3%に上った。また「会社からの管理に息苦しさを覚える」とした人は45.9%、「会社からの管理がわずらわしい」とした人は46.9%となった。その他「これがなければ、もっと高い成果が出せるのにと思うルールや手続きがある」とした人は60.0%と、やや選択率が高い傾向となった。

 会社からの管理過剰感に関する具体的な内容は「ノルマ・行動管理」「監視」「規則・手続きが多い」「決裁・根回しの煩雑さ」「数値管理への偏り」「働き方の制約」といった声が寄せられた。その他「業務を圧迫している」「前向きな仕事に着手できない」「話が先に進まない」「機会損失とやる気を失わせる」といったコメントも見られた。

photo 会社から/上司からの管理過剰感に関するエピソード(リクルート調べ)

 「一度作ったルールや制度は、なかなか撤廃・改善されない」といった特徴のある会社の会社管理過剰感は、高い傾向にあることが分かった。一方「社内のルールや制度について、従業員が意見を言える」「新しくルールや制度ができたときには、背景や意図について説明がある」といった特徴がある会社では会社管理過剰感は低い傾向となった。

 その他「内向きで現場や顧客の声が通らない」「部門の縦割り意識が強く、組織間の対立が起こりやすい」「意思決定に際し、稟議や根回しが煩雑である」という状態にあると会社管理過剰感は高く、「たとえ失敗してもチャレンジすることを奨励している」「意思決定スピードが速い」「現場判断ができるよう、社内外の情報が開示されている」という状態にあると、会社管理過剰感は低い結果となった。

 また「従業員や関係者の健康や安全を重視している」「従業員にとって、成長できる機会が多くある」という認識のもとでは、会社管理過剰感は低いことが分かった。

photo 【会社の特徴別】会社管理過剰感(リクルート調べ)

 会社・上司の管理過剰感の高さ別に個人の状態を見ると、高群は低群に比べて適応感が低く、疲弊感については高い結果となった。また、低群は「自律的・主体的に仕事をしている」傾向が見られた。その他、高群ほど「現在勤めている会社には、あまり長く勤めていたくない」と回答していることが分かった。

photo 管理過剰感が個人の状態に及ぼす影響(リクルート調べ)

 調査は2月29日〜3月4日に実施。20代後半〜50代前半までの正社員930人から回答を得た。

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