生クリーム好きの社員が考えた! 貝印の「生クリッチ」完売、どんな商品なの?生クリームに特化(3/6 ページ)

» 2024年06月13日 06時00分 公開
[大澤裕司ITmedia]

材料のバラつきを乗り越えて実現したセンシング技術

 自動モードを選択すると、1分から4分程度で生クリームをつくれる。固さが足りないときは、マニュアルモードにして追加で泡立て好みの固さに仕上げることが可能だ。

本体唯一のスイッチ。モードの切り替えのほか電源のオン/オフも兼ねる

 自動モードは新開発のセンシング技術によって実現した。ウィスク(泡立て器)を回すモーターの電流値をセンシング。泡立てていくうちに電流値が徐々に高くなるので、ある一定の電流値になったらでき上ったと判断して、運転を自動的にストップする。

 「生クリームは泡立てていくと液体から徐々に固くなっていきます。液体のときはモーターを低電流で回せますが、だんだん泡立ちが固くなってくるとモーターに負荷がかかり電流値が大きくなります。モーターの電流値をモニタリングすれば、生クリームの泡立ち具合が判断できます」

料理の使用例

 モーターの電流値のセンシングは、技術的に難しいものではない。しかし、実際にやってみるとかなり難しいものだった。課題を乗り越えるのに1年近く要した。難しかった理由は、材料のバラつきが大きいためであった。

 「材料には動物性と植物性があり、動物性も安定剤が入っているものと入っていないものがあります。大きく3種類あるわけですが、それぞれで泡立て具合が変わってくるので電流値の上がり方が違うんです。生クリームの温度などによっても電流値が変わってしまうところがありました」

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