オペレーション改善と同時に、収益化と来場者の満足度を両立すべく、入場料の価格変動制を強化した。チケット購入者のデータ、満足度調査、口コミなどを分析したところ、満足度は混雑状況が影響しやすい一方、料金の高さはさほど影響しないこと、満足度は特定の人数を超えると著しく下がることが分かった。
これを根拠に、来場者の不満につながらない価格帯と収容人数を精査し、料金帯を2段階から4段階に変更した。加えて、来場者に配っていた500円分の金券を廃止し、ベース全体の値上げも行った。
その結果、土日祝日に偏りがちだった来場者数の平準化に成功する。子ども料金で比較すると最安値(3250円)と最高値(4500円)との間に1250円の差が生まれたが、それでもこれまでに入場料に対するクレームは発生していないという。
「値上げによって離反してしまう客数を、新規客の増加数で十分吸収できると判断して、値上げに踏み切りました。結果としてこれまでに入場料に対するクレームは1件もいただいていません。昨今の情勢を鑑み、ご理解いただけていると感じています」
これまで全くやっていなかったCRM(顧客関係管理)の体制づくりにも取り組んだ。一度カンドゥーを訪れた利用客の属性分析と、メール配信などでアプローチできる環境を整えていき、アプローチできる母集団は約7000人に達した。事前に情報収集しておきたい親が多く、メルマガの開封率は70%を超えているという。
顧客属性を分析できる環境を整えたことで、プロモーション面の課題も新たに見えるようになった。
「チケット購入者のほとんどが千葉エリアにお住まいなのに対して、Webサイトの閲覧者は東京が圧倒的に多かったのです。Webサイトまでたどり着けている人が東京に多くいるので、やっぱり(需要を)取り切れていなかったんだなと」
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