ポイントサイトはアフィリエイトモデルであり、一見すると雑誌やWebメディアのようなメディアビジネスに近いようにも見える。しかし、その構造をひも解くと、いわゆるメディアビジネスの収益構造とは違うことが分かる。
メディアビジネスは、何らかのコンテンツを用意し、それを誘引力として読者を引き付け、コンテンツのおまけとして広告を見てもらうのが基本だ。このモデルの場合、コンテンツ作成コストは固定費であり、誘引力が思ったように伸びない(読者が想定を下回る)、広告が思ったほど売れないというリスクがつきまとう。
ところがポイントサイトのコストとは、ユーザーに還元するポイントを指す。モッピー事業は2023年12月期の売上高約140億円、粗利益率26.8%という数字だが、これはユーザーに約70%をポイントとして還元したという意味だ。このコストは収入に連動する変動費であり、固定費の回収ができなければ簡単に赤字になるメディアビジネスとはここが大きく違う。
ユーザー獲得の手法も進化した。友人を紹介するとポイントがもらえるというのはよくある仕組みだが、さらに「紹介した友達が獲得したポイントの10%を還元」するという仕組みも設けている。多くの友人を紹介し、友人がポイ活に勤しんでくれれば、自分は何もしなくても子会員を通じてポイントがどんどん入ってくるというわけだ。
一見、マルチ商法であるかのようにも見えるが、子会員がさらに勧誘した孫会員という概念はなく、一世代で完結しており、マルチ商法には当たらないという認識だという。
さらに、月に約10万人という新規会員の増加ペースは、ユーザーにとってこのビジネスモデルの魅力を如実に物語っている。アクティブな会員数521万人超、アプリダウンロード数500万超という数字は、もはや広告主からも無視できない存在感だ。多くの会員数がいるので成約率が高くなり、広告主から有利な成果報酬条件を引き出せる。すると高還元につられて多くの会員が利用する。そうした好循環にモッピーは入っているという。
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