急成長する“もう一つ”のポイント経済圏 知られざる「モッピー」のビジネスモデル「ポイント経済圏」定点観測(4/5 ページ)

» 2024年08月12日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

ユーザーを引き付ける「ポイ活」の実態

 モッピーのようなポイントサイトを利用する人々の「ポイ活」は、想像以上に多様で奥深い。モッピーのユーザーを観察していると、「ポイ活」には大きく3つのパターンがあるという。

 1つめは「目的志向型」だ。坂下氏はこう説明する。「旅行に行きたいというニーズは多くの人が持っています」。モッピーでは、貯めたポイントをJALマイルやANAマイルに交換し、旅行資金に充てるユーザーが多いという。こうしたマイル派の人たちは、マイルが貯まるクレジットカードも利用している場合が多いが、ポイントサイトを活用すれば買い物以外の申し込みなどでもマイルが貯まるし、ECを利用する場合ならマイルの二重取りも行える。ポイントサイトを経由することで、できる限り多くのマイルを得ようとするわけだ。

 2つめは「日常お得型」。「普段の買い物の中に『ポイ活』を取り入れることで無理せず貯められます」と坂下氏。ネットショッピングの際にモッピー経由で購入すれば、通常のポイントに加えてモッピーポイントも獲得できる。楽天市場などでモノを買うときに、ポイントサイトを経由するだけで追加の還元が得られるわけだ。これなら、特別な努力をせずとも自然とポイントが貯まっていく。まさに「コツコツ派」にぴったりだ。

 そして3つめが「ポイントハック型」。これが最も興味深い。「現金は1円は1円だが、ポイントは1円が1円以上の価値になります」と坂下氏は話す。マイルは航空券に替えることで、1マイルが数円分の価値になることはよく知られている。さらに、さまざまなポイントに交換を繰り返すことでポイントを増やすこともできるのだ。例えば「モッピーから直接ANAマイルに替えるよりも、いくつかのポイント交換サイトを経由していくほうがレートが高い場合がある」とのこと。まるでポイントの錬金術師のようだ。

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