ローソン、「ジャイアントコロッケ」が好調 背景に生活防衛意識の高まり 意外な購買層とは?(1/3 ページ)

» 2024年08月14日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

 ローソンの「ジャイアントコロッケ」が好調だ。通常のコロッケより大きいだけでなく、コスパも良いのが特徴で、2023年1月に発売したところわずか1週間で完売。常温フライドフーズの部門で販売数1位となった。その後も、ジャイアントコロッケをはじめとする「大きいシリーズ」は順調に推移しており、2024年における売り上げは前年同月比で1割増という状態が続いている。なぜ、ここまで消費者に支持されているのだろうか。開発した石塚雄子氏(デイリー・FF部マーチャンダイザー)に話を聞いた。

どれほど大きなコロッケなのか(編集部撮影、以下同)

 ローソンのフライドフーズコーナーにおける通常サイズのコロッケは「北海道産きたあかりの牛肉コロッケ」(108円)だ。ジャイアントコロッケは、これと比べて重量が約2倍、価格は約1.2倍(130円)となっている。

通常サイズのコロッケ
ジャイアントコロッケ(マヨペッパー風味)

 2023年に発売した当初はプレーンなタイプ、その後はのり塩風味、ピザ風味、コンソメ風味とフレーバーを変えて展開してきた。2024年8月6日には、北海道・東北・関東地域の店舗で「ジャイアントコロッケ マヨペッパー風味」、中部・近畿・中四国・九州・沖縄地域の店舗で「ジャイアントコロッケ チーズスナック風味」(ともに130円)をそれぞれ発売した。

 味を変え続けている理由について石塚氏は「コンビニを利用していただくお客さまには、『新商品を買いたい』というニーズがあります。定番の味のコロッケを継続して販売するのではなく、目新しさを付与することで購入意欲が高まると考えています」と説明する。ポテトチップスでよくみられるような味にしているのも、コンビニならではの個性を打ち出す狙いがある。

 ローソンでは「大きなイカフライ」(160円)といったサイズ感を訴求するフライドフーズもあるが、大きいシリーズとは別枠だ。ジャイアントコロッケは、重量だけでなく表面積を増やすことでより大きさが目立つようにしている。石塚氏は「売り場で手に取っていただいた際、ずっしり感が出るようにしています」と説明する。

 筆者も実際に、店頭で大きいシリーズの商品を見てみた。ジャイアントコロッケと通常のコロッケでは明らかにサイズ感の違いが分かった。また、大きいシリーズの他の商品としては、フライドチキンの「LLチキ レッド」(278円)も発売しているが、「Lチキ レギュラー」(238円)と並べると、こちらも大きさの違いが一目瞭然だ。

ジャイアントコロッケ(上)と通常サイズのコロッケ(下)

 石塚氏によると、これまでローソンでは大きいサイズの「からあげクン」などを限定販売したことはあるが、大きさを強く訴求したシリーズのフライドフーズを継続的に投入してきたことはないという。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ