走り出すと、車両に軽快感がある。これは車体の軽さがもたらすものだが、ではボディ剛性が頼りないかといえば、そこはそれなり以上にしっかりしている。ただし軽さがもたらす印象のせいもあって、ガチガチに硬いという感じではない。
アクセルを踏み込むと、エンジンもかなり軽快なタイプで、それなりに元気なサウンドを伴って回っていく。回り方が楽しい。ステアリングコラム周りの剛性も不足は感じない。
アクセルをワイドオープンにすると元気な音なのだが、足回り、特にホイールハウス付近からのNVHはキレイに抑え込まれており、試しにアクセルを緩めると、静音性の高さは特筆すべきレベルにある。おそらくこのクラスで最も静かなクルマである。突き上げなども上手にいなして、乗り心地はなかなかにマイルド。すでにこの時点で全体的に好印象である。
では走りはどうなのか。コーナーでフロントに荷重を乗せてステアリングを切り込んでいくと、ノーズの入り方はナチュラル。舵角に対してリニアで安心感が高い。ターンインから旋回に移行していく際もリヤの踏ん張り方が自然で、突如後ろが踏ん張ってヨーを止めてしまうようなアクションを起こさない。ただしこのあたりはグリップが低いウェットのことゆえ、ドライ路面でも同じかどうかは要確認である。
コーナーリングというのはフロントからリヤへタイヤの仕事をリレーしていくものなのだが、少なくとも当日の環境ではそれがスムーズであり、かなりファン・トゥ・ドライブだった。法律の許す範囲で、良きペースでワインディングを楽しめるクルマである。
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