700万人が訪れた「びっくりドンキー」系列の“エコ”な観光施設 「いいこと」アピールしない哲学北海道・恵庭からリポート(1/4 ページ)

» 2024年08月21日 08時00分 公開
[大村果歩ITmedia]

 「びっくりドンキー」の運営元であるアレフ(札幌市)が、北海道恵庭市で“エコ”な観光施設を運営していることをご存じだろうか。

 エコロジーテーマガーデン「えこりん村」は、敷地総面積150ヘクタールの広大な敷地で最大1000頭の羊が放牧されているほか、季節の花々を楽しめる30のガーデンが広がっている。施設内ではバイオガス発電や廃油ヒーター、地中熱ヒートポンプを活用し、資源循環に配慮した施設運営をしている。

環境 「びっくりドンキー」の運営元であるアレフは、北海道恵庭市で“エコ”な観光施設を運営している(c)アレフ

 びっくりドンキーといえば、特徴的な店舗デザインや制服のイメージが強いが、えこりん村を見渡してもあまり“びっくりドンキー感”はないように感じる。

 アレフはなぜ、エコな観光施設を運営しているのだろう。恵庭事業部 事業部長の青木信二さんと、SDGs推進部の葛西渚さんに話を聞いた。

えこりん村ってどんな施設?

 えこりん村は、アレフが取り組んできた食・農・環境・文化の取り組みについて、体験を通じて学べる施設だ。2006年6月にオープンして以降、約700万人が来場した。

 東側のエリアには、アレフの環境配慮の取り組みなどを体験を交えて伝えるパネル展示や土産コーナーを展開するウェルカムセンター、世界一大きなトマトの木として世界記録に認定された水耕栽培のトマトを育てている「とまとの森」などがある。

環境 1粒の種から水耕栽培で育てたトマトの木。過去最大の収穫個数2万5587個。土産としてトマトを使用したアメなどを販売する(筆者撮影)

 西側のエリアには、「銀河庭園」と呼ばれる10ヘクタールの庭園が広がる。銀河庭園内には、食べるためのバラを育てるバラ畑や、手作業の田植え体験ができる「ふゆみずたんぼ」がある。広大な牧場では、羊のほかにもアルパカやリャマ、ミニチュアホースなどの動物が暮らしており、牧羊犬ショーも開催している。

環境 東エリアの「キッチンガーデン」。家庭菜園をおしゃれに見せる工夫が各所でみられる(筆者撮影)
環境 敷地総面積150ヘクタールの広大な敷地で最大1000頭の羊が放牧されている(c)アレフ
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