2024年9月9日、小田急電鉄は新型ロマンスカーの設計に着手したと発表した。ただし報道向け資料に示された情報は少ない。
これだけだ。ニュースで伝えるには十分だ。しかし新型車両の公表は、実物写真や完成予想図の添付が通例だ。今回はそれがないから、新型車両のイメージはさっぱり分からない。鉄道ファンはこのニュースに沸き立ち、予想合戦を繰り広げている。これだけ話題になれば小田急のロマンスカーというブランドにとって大成功だ。
小田急電鉄の株価は9日から10日にかけて上昇したけれども、11日には戻った。出来高も小さい。資本家にとっては「鉄道事業者が古い車両を新しい車両に取り替える」という“当たり前”のニュースだ。乗客数が大幅に増えるという確証がない限り、その投資が適切か否かという判断しかない。もし報道資料の中に「訪日観光客拡大に対応するため」「当社のテリトリーである伊豆箱根地域の観光客誘致の核として」とあれば、もう少し値動きがあったかもしれない。
趣味的な意味での車両デザインはさておき、今回は「新しいロマンスカーが小田急電鉄にとってどんな役割を担うか」を考えてみたい。
画像生成AI「Microsoft Bing Image Creator」で、「小田急の新型特急電車、30000形ロマンスカーの代替で50000形ロマンスカーの後継車両だ。展望車が付いて分割可能」と入力してできた画像(Microsoft Bing Image Creatorを使って著者作成)
箱根に100億円投資、小田急が挑む「国際観光地競争」
小田急ロマンスカー「GSE」が映す、観光の新時代
小田急の特急ロマンスカーが残した足跡
年末年始、なぜ「のぞみ」を全席指定にするのか 増収より大切な意味
次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング