Dr.ルルルン(東京都渋谷区)が展開するフェイスマスクブランド「ルルルン」が好調だ。2011年7月の発売から、2023年12月までの累計販売枚数は20億枚を突破。人気を長く維持できている背景には、発売当時から9回にわたるリニューアルがあった。一方で、あえて変えなかったこともあるという。ブランド誕生から現在に至るまでの経緯について、同社に話を聞いた。
ルルルンは、化粧水を浸透させたシートを顔にのせて保湿するスキンケアアイテム。現在、約50種類以上の商品を展開している。今年6月に発表された「@cosmeベストコスメアワード2024 上半期新作ベストコスメ」では、10商品のうちルルルンの2商品がランクインした。
Dr.ルルルンはもともと自社ブランドを持たず、化粧品のEC販売を手掛けていた。独自商品の開発を進めていたところ、東日本大震災が発生。「東日本大震災を経験し、『毎日は当たり前ではない』と気付かされました。この気付きを独自商品に反映させようと考えました」(同社ブランドマネジャー)
毎日が特別であることを感じられる化粧品は何か。化粧水や乳液は日々のスキンケアにおける定番アイテムであり、特別であることを感じにくい。そこで候補に挙がったのが「フェイスマスク」だった。
当時、フェイスマスクはデートやイベントの前、大きな仕事を終えて疲れた自分を労わりたいときなど「特別なときに使うもの」というイメージが強かった。筆者にも経験があるが、フェイスマスクを使うと、ワクワクしたり気分が高まったりする。消費者にとって特別なアイテムであるフェイスマスクを、毎日使えるようにしたい。そうすれば毎日が特別なものになるのではないか。こうしてブランドコンセプトが決定した。
ルルルンは製造を外部に委託するOEM生産だ。OEM生産の場合、製造を担当する工場側で商品設計するのが一般的だというが、ルルルン開発においてはDr.ルルルン側から「こういうことがしたい」と積極的に提案。要望をオーダーしながら形にしていったという。
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