給与減でも「フルリモート希望」5割超 いくらまで許容？

[サトウナナミ，ITmedia]

　コロナ禍をきっかけに広まったリモート勤務だが、昨今では顔を合わせた社員同士のコミュニケーションなどを重視し、出社回帰に舵を切る企業も出てきている。

　そんな中「給与が下がってもフルリモートで働きたい」と考えるリモートワーク経験者が5割に上ることが、システム開発のLASSIC（鳥取市）が運営する「テレワーク・リモートワーク総合研究所」の調査で分かった。いくらまでの給与減額が許容できるのか。

給与減額がフルリモートの条件となる場合、いくらまでの減額が許容できる？　写真はイメージ（ゲッティイメージズ）

「フルリモートで働きたい」男女・年齢別でどう違う？

　調査は、全国の20〜65歳のリモートワークを経験したことがあるビジネスパーソン男女を対象とし、1001人から回答を得た。

　仕事や居住地、給与などの条件が変わらないと仮定し、100％在宅勤務の「フルリモートで働きたい」と回答した人は60.9％に上った。男女別に見ると「フルリモート勤務を希望する」とした男性は58.3％だった一方、女性は63.8％と、女性の方が希望が強い傾向がみられた。

現在の条件が変わらない状態において、フルリモート勤務したいか（LASSIC調べ）

【男女別】現在の条件が変わらない状態で、フルリモート勤務したいか（LASSIC調べ）

　年代別で見ると、20代で「フルリモート勤務を希望する」とした人は73.1％に上った。年代が上がるごとにフルリモート希望者の割合は減っていく傾向が見られ、60代では48.6％にとどまった。

【年代別】現在の条件が変わらない状態において、フルリモート勤務したいか（LASSIC調べ）

給与が減っても「フルリモート希望」　いくらまでなら許容できる？

　「給与が下がったとしてもフルリモートで働きたい」と答えた割合は54.8％だった。許容できる減額の範囲は「3％まで」とした人が最も多く25.4％。「5％まで」が13.9％で続いた。

　一方で「給与が下がる場合はフルリモートは望まない」としたのは45.2％。女性は50.3％に上り、男性より10ポイント高い結果となった。

給与条件が変わる場合、どこまでなら許容できるか（LASSIC調べ）

　給与が下がってもフルリモートを希望する理由は、男女ともに「通勤時間がなくなり、その時間を自由に使えるから」（男性57.5％・女性73.2％）が1位となった。

　「電車やバスでの混雑や遅延のストレスがなくなるから」（男性40.9％・女性58.2％）、「オフィス勤務という環境ストレスがなくなり、落ち着いた好きな空間で仕事ができるから」（男性38.1％・女性51.6％）と続いた。

　フルリモート勤務に感じるメリットについて、大きな男女差はみられなかったものの、女性は各選択肢において男性よりも高い回答率を示す傾向がみられた。

給与が下がってもいいと思う理由（LASSIC調べ）

　調査は4月26〜30日にインターネットで実施した。