インボイス制度施行後、経理が月次決算業務にかける時間は「1人当たり月平均約5.5時間」増加したと、インボイス管理サービスを提供するSansan(東京都渋谷区)の調査で明らかになった。制度の開始から約1年、企業はどのような課題を抱えているのか。
インボイス制度対応について「課題を感じている」とした人は71.0%に上った。インボイス制度が開始して1年が経過するが、制度に対して課題を感じている人がいまだ多いことが明らかになった。
具体的な課題については、「制度対応に伴う業務負担が増えた」が最も多く50.1%。以降は「請求書や領収書が適格請求書の要件を満たすかどうかの判断が難しい」(38.6%)、「社員が適切に制度対応できているかどうか不安」(38.3%)と続いた。
受領した適格請求書の「登録番号の確認」「取引年月日の確認」「消費税額の検算」などの要件を確認する際、約7割が目視確認を行っていると明らかになった。また、現場部門が目視確認しているケースも全ての項目で1割ほど見られ、デジタル化できていない確認業務により手間がかかっていることが分かる。
インボイス制度による自社への影響については、「業務量が増え経理担当者が不足している」が最も多く33.8%。以降は「残業時間が増えた」(25.0%)、「グループ会社間で対応状況が異なっている」(16.0%)と続いた。業務量増加による影響にとどまらず、グループ会社間によって対応が一致していないなど、コーポレートガバナンス上でも懸念がある現状が明らかになった。
調査は8月22〜27日にインターネットで実施。20〜50代の経理担当者(正社員・契約社員)1000人から回答を得た。
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