西武において常設の食品売り場を上層階で展開するのは初めてのこと。期間限定の物産展ならば7階でも集客しやすいが、果たして地下の食品売り場を7階に移して、わざわざ足を運んでもらえるのかという不安はあったという。しかし、8月2日に開業して約3カ月が経過した現在、当初の目標をほぼ達成できているそうだ。
「売り上げ目標は各ブランドの通常時の売り上げと比較して7割を目安にしており、ほぼ想定通りです。やはり食品のニーズは高いのだと手応えを感じています」
上層階への移転と規模の縮小により、多くのブランドが通常時の7割ほどの売り上げに落ち込んでいるが、意外にも一部のブランドや商品は以前よりも売り上げが伸びていると溝部氏は付け加えた。
「一例ですと、いなり寿司の専門店は地下よりも現在のほうが売れ行きが良いです。地下にあった際は約80の総菜ブランドがひしめいていましたが、デパナナでは約30ブランドに厳選されているので、個性が際立って認知されやすくなったのだろうと分析しています」
その他にも、ある菓子ブランドで、以前はあまりスポットが当たっていなかったバターサンドがデパナナに移転して急に売れ出した事例もあるという。フロア全体の来客層は以前と大きく変わっておらず、来客数は売り上げと同じく約7割と推測されるとのこと。一部のブランドにおいては「顧客に気付かれやすくなったメリット」が効いているようだ。
また、季節限定のポップアップストアも好調で、例えば8月〜9月末まで販売した人気店の「かき氷」には多くの来客があった。
「残暑が厳しいタイミングだったこともあり、週代わりでブランドを入れ替えながら実施したところ、かき氷目当てに多くの方が来店されました。地元のブランドだけでなく埼玉のブランドも招集して、西武池袋限定のメニューも用意しました」
イートインスペースは12席ほどの小規模な展開だったが反響は良く、かき氷を食べた後、近くにある総菜店やパン屋などで買い物をしていく動きも見られたという。その他、1階のコスメ売り場との買い回り企画も実施し、一定の効果を上げている。1階のコスメと7階の菓子、それぞれの売り場で買い物をすると菓子などのギフトが受け取れるものだ。
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