松井: 2021年からデジタルマーケティング領域での稼働が始まりましたが、どのような成果がありましたか?
大石: 大きな成果が出たのはメールマーケティングです。以前は全くパーソナライズされていない画一的なメールを送っていましたが、ツール導入以降のメールマーケティングの成果を比較したところ、メール経由のWeb流入が約3倍に向上したんです。これにより、「Astellas Medical Net」への流入チャネルはメールがメインとなりました。MRに渡すインサイトの質、量も上がっています。このように、メールパフォーマンスが劇的に向上したこと、インサイトが右肩上がりになっていることがうれしい成果ですね。
松井: 今回の取り組みは、マーケティング観点でいうとコンテンツ、データ、ジャーニーの3つが全部そろった形で施策を展開しているんですよね。コンテンツはCMS、データは分析ツール、ジャーニーはMAとパーソナライズエンジンに相当しますが、どれか1つだけだと数値的な成果はもちろん、業務全体のレベルアップが見えにくくなります。今回3つに同時に取り組んだからこそ、成果が早く出たのだと思います。
大石: ありがとうございます。とはいえ効果検証やROI算出で課題があるのは事実なので、業界全体を底上げする意味で、医薬業界に特化したユーザー会を作り、情報共有を促進していきます。
松井: 横のつながりは大切ですよね。1人で悩んでいたことも、ちょっとしたアドバイスで解決することもありますし、自社の取り組みの進み具合が分かるので、それを社内に持ち帰って励みとすることもできますから。それで業界が共に成長していけば、社会全体も良くなると思います。
では最後に、今後取り組んでいきたいことを教えてください。
大石: コンテンツ活用はまだできることがあると思います。コンテンツとジャーニーとデータでいえば、当社を含めて多くの企業はジャーニーの改善とデータの有効活用は手が付けられやすい分野だと思います。ですがコンテンツは一朝一夕にはいきません。
そこでコンテンツの量産化、生産性向上は取り組むべき課題と考えています。多くのtoC向けコンテンツでは既に取り組まれていると思いますが、デジタルアセットやモジュールをデータベースに登録し、組み合わせて有効活用する取り組みを進めたいですね。
松井: 期待しています。今日はありがとうございました。
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