全国のヱビスビール好きが集まるファンコミュニティー「YEBISU BEER TOWN(ヱビスビアタウン)」。オンライン上に存在する“架空の”街には、2024年6月現在13万人を超える住民(YEBISU BEER TOWNではコミュニティー参加者を「住民」と呼ぶ)がいる。
昨今、商品を買ってもらうためには自社の商品やブランドそのものの“ファン”になってもらうことが重要だという考え方が広がっている。そして新しいファンをつくる、ファンを育てるアプローチの一つがファンコミュニティーだ。
ファンの熱量を高い状態でキープし続ける必要があり、ファンコミュニティーの運営は決して簡単なものではない。しかし、YEBISU BEER TOWNではファンが主体的にコミュニティー運営に参加し、イベントやキャンペーンを企画。住民が自らコミュニティーを盛り上げているという。
どうやって13万人もの巨大なコミュニティーでファン主導の運営を実現しているのだろうか。サッポロビール マーケティング本部 ビール&RTD事業部の萬谷浩之氏に話を聞いた。
サッポロビールが運営するYEBISU BEER TOWNは、ヱビスブランドのファンが集まる仮想の街。ファン同士が自由に語り合える「みんなの“縁”会場」、ヱビス担当者と直接交流でき、担当者の生の声が聞ける「ヱビス担当者語りBAR」、ヱビスビールを取り扱う飲食店情報が得られる「ヱビスなお店」の3つをコアコンテンツとしている。
同コミュニティーは2022年2月にプレオープン、10月に本格稼働した。住民の年齢層は幅広いが、50代以上の男女が一番多いという。実際にヱビスビールを購入している既存のコアなファンが、バーチャル上に存在するヱビスの街にも訪れているそうだ。
「コミュニティーの良さは一方向的な発信だけでなく、ファン同士、ファンとブランドが双方向に関われる点。コミュニケーションが循環することが最大の魅力」と萬谷氏。実際に「みんなの“縁”会場」を見てみると、ヱビスビールに関する体験や感想の共有からヱビスとは関係のないつぶやきまで、活発に投稿が行われていた。萬谷氏を含む2人のメンバーが中心となり、日々の投稿確認やサイト巡回などを行っている。
このコミュニティーを始めたきっかけは、とあるヱビスファンの“声”だ。定期的にアンケートを取っていたところ、「ヱビスブランドとつながる場として商品やイベントだけでなく、ファン同士がつながって自分たちのヱビス愛を共有したり語り合ったりする場がほしい」という意見があったという。こうした場を作ることはファンの期待に応えるだけでなく、今後のブランドとユーザーとの関係性において非常に重要な場になると考え、コミュニティーを立ち上げることが決まった。
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