重いランドセルにさようなら 布製モデルが選ばれる理由と急成長の裏側(2/5 ページ)

» 2024年12月12日 15時28分 公開

「軽く感じられる」をコンセプトに開発

 通学カバンの「重たい」問題に、フットマークが着目したのは2017年にさかのぼる。当時、新学習指導要領の導入で教科書が増え、中学生の通学カバンが平均10キロに達するなど社会問題となっていた。

 スクール水着メーカーとして学校とのつながりが深かった同社には、教育現場から多くの声が寄せられていた。「教科書自体を軽くすることはできないため、軽く感じられる構造のカバンをつくろうというコンセプトで開発を進めた」と、商品の企画開発を担当する佐野玲子さんは振り返る。

photo 2017年に発売した中学生向けの「ラクサック」

 カバンづくりのノウハウがないにもかかわらず、開発期間はわずか1年だった。「子どもの体への影響を考慮して、まず発売し、その後に改良を重ねていくというスピード重視のアプローチを取った」(佐野さん)

 全国で指定カバンとして採用されるなど広がりを見せ、2019年頃からは小学生用の製品を求める声が増えた。佐野さん自身も小学生の娘を2人持つ親として、ランドセルで運ぶ荷物の重さに驚いた経験があったことから、小学生向けの開発を進め、2020年に「ラクサックジュニア」の販売を開始した。

photo 「ラクサックジュニア」

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