「いざ、出陣!」50万円の甲冑ランドセル なぜ“武将気分”を味わえるデザインにしたのか「次の駅まで」に読めるハナシ(3/3 ページ)

» 2024年12月21日 06時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
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メモリーフォームという素材に注目

 話題を少し変えますが、脱ゆとり教育の影響を受け→教科書のページが増え→ランドセルの重さが問題になっています。ランドセルを軽くするために「布製」などが登場していますが、こうした状況に対し、村瀬鞄行はどのような手を打っているのでしょうか。

 従来品の場合、背中とランドセルの間に隙間ができることで、肩の一部に負担が集中して、後方に引っ張られる傾向がありました。こうした課題を受け、同社が注目したのは「メモリフォーム」という素材。メモリーフォームとは衝撃吸収能力や低反発性があって、ベッドやクッションなどに使われています。

 最新モデルは、背中と肩の部分にメモリーフォームを10ミリほど使用しているわけですが、同社によると「ランドセルにこの技術を取り入れるのは難しいこと」だそうです。

 従来品と比べて、どのくらいの違いがあるのか。ランドセルに重い教科書を入れて、子どもたちにどのくらい負担があるのか。さまざまな実験を繰り返して、それを数値化。近い将来、その数値を公表するそうです。

 コンテストで受賞して、価格は50万円――。このような話を聞くと、奇をてらっているように感じるかもしれませんが、さまざまな作品をつくるのは職人の技術力を高めていくため、といった狙いもあるそうです。

 甲冑ランドセルは鞄としての機能があるものの、基本的には観賞用の「作品」という位置付け。それでも背負えば「いざ出陣……いや、いざ通学!」と子どもが奮い立つかもしれません。

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