両社ともに、ひとり旅ツアーの商品には満足度を高める工夫が散りばめられている。ホテルは1名1室、バスの座席は1名で2席分確保するのが基本だ。添乗員や地元のガイドが同行して観光地を案内するツアーがほとんどだという。
「観光地で各自がしたいことが十分にできる自由時間を確保しつつ、伝統工芸の体験などツアーでしかできない経験を盛り込みます。通常のツアー商品と比較してやや割高なこともあり、食事もややグレードが高いものを準備して、コースによっては1名1卓で提供しています」(クラブツーリズム 小林氏)
こうした工夫は阪急交通社も大きくは変わらないが、同社では特にプライバシーを重視。ひとりを満喫できるよう販売当初から自己紹介タイムなどを設けておらず、利用者からは好評を得ているという。クラブツーリズムの国内ひとり旅ツアーでは、10年ほど前に自己紹介タイムを廃止している。
人気の行き先を尋ねると、国内では離島、リゾートホテル、秘境やパワースポットめぐり、富士登山、動物園や水族館、四国の八十八ヶ所をめぐるお遍路、フェリーによる日本一周、ロケットの打ち上げ見学など個人では行きづらい場所に加え、東北の夏祭りや桜・紅葉の名所など季節限定のツアーとのこと。
「年齢層は60〜70代がボリュームゾーンです。男女比は約8.5:1.5で女性が圧倒的に多いです。ただ、行き先によって男女比が逆転することはあり、鉄道関係やお祭り・花火などのイベント系は男性が増えます」(クラブツーリズム 小林氏)
阪急交通社が販売する海外のひとり旅ツアーでは、トルコやエジプトといったマイナーなエリア、ポーランド、バルト三国などがよく売れている。「1人ではハードルが高いエリアが人気で、通常のツアーよりもひとり旅ツアーのほうが圧倒的に参加者が多い状況」とのこと。
同社でも、参加者は国内外ともに70代がボリュームゾーンで男女比は約3:7で女性が多くなる。
なぜファミマは“涙目”を選んだのか 「値下げシール」導入の舞台裏
大塚「おにぎり ぼんご」はなぜ人気なのか 休日は6時間待ち
デパ地下を「7階」に移してどうなった? 西武池袋の実験で分かった意外なこと
「ペコちゃんmilkyドーナツ」人気の理由は? 計画比2倍の売上を引き出す“ミルキー”の力Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング