アイデアが浮かばない、こんな無駄な作業なくしたい――。ビジネスパーソンを悩ませる日々のさまざまな困りごと、ChatGPTに聞いてみませんか? ITジャーナリストの酒井麻里子氏がプロンプトの書き方を伝授する。
この2カ月ほどで「Deep Research」などの名称で提供されるリサーチ型AIエージェントが続々と登場した。2024年12月の「Gemini Deep Research」のリリースに始まり、Open AI、Perplexity、Genspark、xAIも同様のサービスをローンチ。早くも激戦状態となっている。
それぞれのサービスの比較から見えてきた強みや特徴、使い分けの最適解を紹介したい。
ITジャーナリスト/ライター。生成AIやXR、メタバースなどの新しいテクノロジーを中心に取材。その他、技術解説やスマホ・ガジェットなどのレビューも。著書に『趣味のChatGPT』(理工図書)、『先読み!IT×ビジネス講座ChatGPT』(共著・インプレス)など。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。株式会社ウレルブン代表。XRと最新テクノロジーのWEBマガジン「TechComm-R」運営。
いずれも従来のAI検索より詳細なリサーチを行い、結果がレポート形式で出力されることが特徴だが、なかでも圧倒的なクオリティーを誇るのがOpenAI Deep Researchだ。
当初は月額約3万円の最上位プランだけに提供されていたOpenAI Deep Researchだが、2月25日からChatGPT Plusユーザーも1カ月あたり10件まで利用可能になった。まずは入力ボックスの「Deep Research」ボタンをオンにした状態で、調査したいことを送信する。この時点では、調査内容を詳細に書いていなくても問題ない。
その後、チャット画面上でリサーチの方向性についての質問が返ってくる。最初に大ざっぱな調査テーマを指定した場合も、ここで方向性のすり合わせが可能だ。
例えば、「2024年後半から2025年初頭にかけてのオフィスワーク向け自立型AIエージェントのサービス提供状況と、今後の予測」について調べる場合なら、どのような業務を対象にするのか、特定の企業に焦点を当てたいか、市場動向の分析も含めるかといったことを質問される。
質問に回答すると調査が開始。リサーチ内容にもよるが、おおむね7〜10分程度で完了するケースが多い印象だ。デスクトップ通知を設定しておけばレポートが完成したときに通知されるので、その間は他の作業ができる。
圧倒されるのは、出力されるレポートの情報量の多さだ。調査内容によって変動があるものの、1万〜2万字程度のボリュームで出てくることが多い。しかも、無駄に長く書いているのではなく、幅広いトピックを扱い、それぞれを深く掘り下げた意味のある長文だ。
例えば、先の自立型AIエージェントについてのリサーチなら、概要説明から始まり、主要プレーヤー、市場動向の分析、技術の進化を踏まえた今後の展望などが詳細に綴られている。さらに、すでに提供が開始されている主要企業のサービスについては、具体的な価格などの情報も網羅され、企業の導入事例も複数紹介されている。
この後紹介するが、他社の同様のツールを使った場合のリサーチ結果はもう少しコンパクトになる。「ここまで調べてくれたの!?」と言いたくなるような圧倒的な情報量をもったレポートを作成できるツールとしては今のところ唯一無二だ。
デメリットとしては、「とりあえず大ざっぱな調査がしたい」という場合には少々使いづらい点が挙げられる。何を知りたいのか明確になっていない段階では、最初の指示後に返ってくる質問にうまく答えることができないのだ。困ったときは「上記すべてを調べてください」「全般的に詳しく調べて」などの指示をすることで対応できるものの、せっかくのリサーチ力の高さを十分に生かせていないようでもったいないと感じる。
なお、これだけ長文だと出力結果をドキュメントで書き出したくなるが、こちらは一筋縄ではいかない。画面左上のモデルセレクタで「GPT 4o」を選択した状態で、「このレポートの全文をWordファイルとして書き出してください」と指示することで、Data Analystのファイル出力機能を使ってWordファイルに書き出せる場合もあるが、レポートの一部しか反映されないなど失敗するケースも少なくない。
一方で、出力結果の下部に表示されるコピーアイコンを使うと最初の指示やリサーチの方向性を調整したときの会話までコピーされてしまう。地味に面倒な部分なので、楽に書き出せる何かしらの手段がほしいところだ。
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