「氷河期世代」はなぜ報われないのか 国の支援では解決できない、これだけの理由スピン経済の歩き方(5/8 ページ)

» 2025年03月19日 06時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

就職氷河期世代に追い討ちをかけたのは……

 もちろん、これにはバブル崩壊もある。しかし、その中には生産年齢人口の減少のせいで、「会社を立て直そうにも働き手が確保できない」「客が減ってこれまでの商売が成立しない」という形での廃業・倒産もかなりあった。

 このような「企業大激減時代」が、1990〜2000年代に社会へ巣立った世代に、どれほどの影響を与えたかは容易に想像できる。

 さらに、この世代を追い討ちをかけたのは「他の世代よりも人口が多い」ことである。

「わが国の従業者数の推移」(出典:厚生労働省)

 企業数は1989年にピークを迎えたが、その後も子どもの数は増え続けた。

 企業数の減少が始まる1989年の翌年、1990年の大学卒業者数は約40万人だった。それが1995年になると約49万人、1998年には約53万人、2005年には約55万人まで増える。

 要点をまとめよう。日本の企業数は、1989年から2004年までにおよそ90万社が減っている。一方、大学卒業者数の同じ時期を見ると、15万人も増えている。

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