「ふざけるな! じゃあこのまま貧乏クジを引き続けなくてはいけないのか」と絶望する就職氷河期世代もいらっしゃるだろうが、今の状況を変える手がないわけではない。それは、この人口動態に応じた産業構造の改革だ。
先ほど、「会社が減れば雇用も減る」と申し上げたが、このような事態を避ける方法が一つある。企業が従業員数を増やしていく。つまり、「企業規模の拡大」だ。
例えば、これまで従業員10人規模の零細企業が、生産性向上や吸収合併を進めることで、50人規模の企業へと成長する。そういう企業が増えていけば、全体数が減ったとしても雇用は維持される。
もちろん、どうしても求人で優先されるのは新卒や働き盛りの若者たちだろうが、この世代は大企業の獲得競争が激しい。そうなると、企業規模を拡大した中小企業が狙うのは、これまで転職市場では不人気とされてきた40〜50代、つまり就職氷河期世代だ。
これは人口減少ニッポンで生きる、われわれが唯一残された「勝ち筋」でもある。
本連載で繰り返し述べているが、日本経済の最大の問題は「成長しない小さな会社が多い」ことだ。日本企業の99.7%を占める中小企業の多くは「倒産もしないし、成長もしない」という現状維持を何年、年十年も続けている。
これは「家業」にしている経営者とその家族的には、幸せの一つの形なのだが、日本の労働者的に見るとマイナスでしかない。現状維持のために、賃金を低く抑えなくてはいけない。しかも、いつまでも成長しないので、新しい仕事や求人も生まれない。
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