メンタル不調の早期発見・早期対応のカギを握るのが「職場での相談」だろう。同研究所が調査したところ、管理職の約半数が「メンタル不調者に早く相談してほしい」と感じており、実際に相談した人の約8割が「支援的な対応を受けた」と回答している。「相談に乗ってもらえた」「業務負担を軽減してもらった」など具体的なサポートを受けたケースが多く、非協力的な対応は1割未満だった。
また、相談の効果も明らかで、職場に相談した人の約6割が症状の解消・改善を経験。注目すべきは、医療機関への受診単独よりも職場での相談の方が症状改善率が高い点だ。
しかし実態としては、メンタル不調を抱えた人の半数以上(54%)が職場に相談していない。最大の理由は「解決につながらなさそう」という懸念で、これは実際の対応実態とのギャップを示している。特に20代の職場相談への抵抗感は68%と高く、年代が上がるにつれて減少する。一般的な予想に反し、若い世代ほど相談へのハードルが高いことが明らかになった。
相談を躊躇(ちゅうちょ)する理由として、主に「評価・評判の低下懸念」と「相談後の対応イメージのなさ」の2点が挙げられる。若い世代ほどこれらの不安を強く感じる傾向がある。調査ではこの状況を「管理職と一般社員の知識・認識ギャップ」と分析。管理職は研修で意識が高まる一方、若手社員は情報不足のためそれを知らず、相談へのハードルが下がらない状況が続いている。
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