この記事は『ロボットビジネス』(安藤健/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
ロボットは目に見えるところで動くとは限りません。夜、みなさんが寝静まった頃にひっそりと、そして一生懸命に働いているロボットもたくさんいます。食品を作る現場ではなく、作られた商品を売る小売の現場で活躍しているロボットを見てみましょう。
私たちが日常的に訪れる店舗のなかで出会うロボットとしては、掃除ロボットが多いかもしれません。実際、大手スーパーマーケットでは、営業時間中でも掃除ロボットが自動で店舗内をクルクルと動き回り、常に清潔な環境を整えています。
さらに、夜が訪れると、見慣れないロボットが登場します。例えば、閉店後の店舗では棚を管理するロボットが活躍しています。
米国の大手スーパーであるウォルマートでは、ロボットが陳列棚の前をカメラでスキャンしながら走行し、商品がきちんと並んでいるか、欠品がないか、値札が正しいかをチェックして、スムーズな店舗運営をサポートしています。この作業を通じて、従業員が手動でおこなうよりも時間を大幅に短縮し、必要な商品を迅速に補充できるようになるのです。棚管理ロボットを導入した結果、在庫の正確性が向上し、欠品率が20%減少しています。
それだけではありません。一般的に小売店には、在庫切れにより平均で売上の6.5%のロス、在庫不足により2%の購買機会ロス、そして窃盗や管理ミスによるロスが1.5%あると言われていますが、ロボットを活用することで、これらを合わせた約10%のロスを削減することができるのです。
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